池間島に泊まる ~ 海と異国の香り漂うラサ・コスミカの夜(宮古/池間島宿泊記・後編)
2023.01.28
2019年の12月に池間島に泊まったときの思い出話の後編です。
前編では初日の宮古島での出来事を振り返りましたが、後編はいよいよ池間島での話です。
八千代バスで池間島へ
宮古島から池間島の宿まで、晴れていればレンタルバイクで原付を借りて行きたいところでしたが、小雨と強風が続いているためバスで向かうことにしました。
宮古島の市街地から池間島方面に行くバスは「八千代バス」。ということで、乗り場と時刻を検索。前日に訪れた「くになか食堂」のすぐ近くにある「平良」停留所から乗るのがわかりやすそうだったので、歩いて向かいました。
バスの時間まで、道の向かいにある「スーパーなかそね」で買い物。本日泊まる宿は夕食無しの小さな宿で、周辺に飲食店もほぼ無いので、惣菜とビールを買っておきます。
八千代バスの平良停留所はちょっと広い駐車場のようになっていて、どうやらバスの折り返し地点になっている模様。バス停のところで待っていたら、バス会社の人らしきおじさんが現れて「お客さんですか? あちらで座って待ってていいですよ。やがて来ますんで」とのこと。なるほど、屋根付きの待合所的なスペースがありました。
ほどなくしてバス到着。八千代バスは白地に青紫のラインが入ったデザインです。
乗車して、池間島を目指していざ出発。例によって乗客1人のみの完全貸切状態でした。
いつもは原付で走りながら見る風景を、バスの車窓から眺めるのはなかなか新鮮。しかしながら相変わらず小雨が降ったり止んだり……
約30分で池間島のバス終点である漁協前バス停に到着しました。港の目の前ですが、少し歩けば小さな砂浜もあります。
ナカマグスヌヒダというビーチらしい。ナカマグス(仲間越)がここの地名で、ヒダは池間の言葉で「浜」のこと、なので「仲間越の浜」ですね。
池間大橋まで歩く
さてここから本日の宿「ラサ・コスミカ」まで歩いて行くわけですが、時刻はまだ14時半。
当初の計画だった原付で周辺を巡るプランが無理になったため、どうしたものかと。宿で自転車は借りられるとのことでしたが、こんな天気だし……早めにチェックインしてそのまま出歩かず部屋でゆっくりするしかないか……
……とも思ったのですが、やっぱり池間島に来たなら立ち寄りたい場所がある! というわけで、意を決して池間大橋の入り口のところにある、お店が集まったエリアまで歩くことに。
宿とは逆方向になるため歩く距離がさらに増えますが、暑くない今の気候ならなんとかなるでしょう。いざ、徒歩移動開始。
いつもは原付で走りながら見る景色を、今度は歩いて眺めるというのもまた新鮮。
約20分ほど歩いて池間大橋の入り口(橋詰広場)まで辿り着きました。というかここにバス停作って欲しい……ですが普段は地元民しか使わない路線バスなので、観光スポットで乗降りする需要は無いんでしょうね……仕方ない。
海美来の展望台と宮古そば
というわけで、お約束の海美来(かいみーる)へ。食堂兼お土産屋さんで、さらに展望台まであるという池間島観光の出発点にふさわしい名店です。
名物の「紅芋もち」が最近SNSやYouTube等でも紹介されることが多くて大人気ですが(実際超美味いのでおすすめです)、今回はサーターアンダギーを買って、店の奥の階段を登って展望台へ。
展望台からの景色は……
曇り空でも圧倒的に美しい池間大橋と青い海! いつ来ても最高! ……しかしながら、展望台の上はとにかく強風……いや暴風がやばい。サーターアンダギーどころではなかったので景色を眺めたら速やかに地上へと戻りました。
続いては海側の階段を降りて砂浜へ。こちらはオハマ(ウハマ)です。
展望台の上と比べたら風もほんの少しだけ穏やかなので、こちらでサーターアンダギーを(速やかに)食べながら波音鑑賞。晴れてたら本当に最高の場所ですので……。
なにはともあれ、池間島に来たならとりあえずここに立ち寄らないと始まらないので、ひとまずの目的は果たしました。
時刻は16時前。すっかり遅くなりましたが、この辺で昼食にしましょう。ふたたび海美来に入って宮古そばを注文。
カツオ風味しっかりのスープに肉も分厚くて美味い。今日は徒歩移動なのでオリオンビールも飲めてしまうという素晴らしさ。徒歩は最強!
食堂スペースからの景色も最高なんですよね(晴れてたらね)。
ラサ・コスミカ ツーリストホーム
さて、いよいよ宿に向かいます。
先ほど歩いてきたルートを戻る感じになりますが、最初にバスが到着した漁港エリアには入らずに、島の一周道路をそのまま進んでいきます。
20分ほどで見えてきました。異国感あふれる洋館? 古城? のような建物。
こちらが本日の宿泊先、ラサ・コスミカ・ツーリストホーム。
数部屋だけのB&B(ベッド・アンド・ブレックファスト)スタイルのゲストハウスですが、ネットで予約できました。
沖縄・宮古島ゲストハウス – ラサ・コスミカ ツーリストホーム
やはり冬の宮古、今日の宿泊者は自分1人だけとのこと。静かに過ごせそうです。
玄関から雰囲気満点だったのですが、部屋に入るとさらに最高……!
窓の向こうには海が。ベランダにはテーブルと椅子が。
シャワーを浴びて(シャワーとトイレは共用になってます)、テレビも無い静かな部屋で一休みしてから、スーパーなかそねで買ってきた馬肉(!)とオリオンビールで夜食にしました。
そして実はここには屋上テラスもあるのです。外の階段を上がると、満点の星空―――は今日は見えませんが……
とにかく素晴らしい。異国の夜です。
池間島の朝、ビーチ散歩
朝。目覚めて、ふたたび屋上へ。
雲は多いものの雨は完全に上がり、ところどころ晴れ間も見えてきました。
朝食は1階のダイニングルームで。パンとサラダ中心のヘルシーなもの。意外としっかり食べ応えもあって美味かったです。そしてコーヒーも。
食後は周辺のビーチ散歩へ。
まずは宿の目の前に広がるアラッシッスゥヒダ。ラサ・コスミカと隣のアイランドテラスニーラ(高級ヴィラ)からしか基本的には入れないので、ほぼプライベートビーチみたいになってます。
冬の朝なので当然のように貸し切り状態。足跡のない砂浜って最高ですよね。
ふたたび道をしばらく歩いていくと、池間島の観光スポットとして知られる「ハート岩」のあるビーチ(イキマサランマ)があります。
宿でもらった池間島のガイドマップによると、ハート岩のあるイキマサランマから海沿いの岩を登ったり潜ったりして次々と隣のビーチに行けるとのことだったので、実行してみました。
沖縄らしいトゲトゲした岩と植物だらけなので、慎重に進む必要があります。コケたら確実に怪我します。
探検感あって楽しい。
無事にイキヅービーチ(イキヅーヒダ)まで辿り着きました。
イキヅービーチには道路側からの入口もあり、車を停められるスペースもあります。
帰りは普通にイキヅーから道路を歩いて宿まで戻りました。
チェックアウト時間まで部屋のベランダで海を眺めてゆっくり。夏の晴れの日にまた泊まりに来たい……。
非日常過ぎる空間と時間が心に残る、素敵な宿でした。
集落を歩く
帰りのバスに乗るため歩いて港へと向かいます。
来たときとは違うルートで、集落エリアの海沿いの道に入ってみました。この辺にも民宿が多く集まっています。
公民館があったり。
砂浜も、パパイヤもあります。
そして漁協前バス停にて、安定の八千代バスに乗って宮古島の平良市街地へと戻ってきました。
これにて池間島に宿泊するミッション完了!
天気はいまいちでしたが、刺激に満ちた特別な体験でした。いつかまた、海を楽しめる季節に晴れの日を狙ってリトライしたいと思います。
池間島について – NPO法人いけま福祉支援センター
池間島観光協会のブログ
綾道-宮古島市neo歴史文化ロード-|宮古島市
+宿泊先でもらったガイドマップ
その後、宮古島で
当初の計画では原付で池間島まで行って宿泊してから、池間島の周辺スポットをめぐりながらゆっくり市街地まで戻ってくる予定だったのですが、バスであっさり移動終了してしまったので、帰りの飛行機までまだまだ時間があり過ぎる!
というわけで、まずは「じんく屋」で宮古そばを。地元民で賑わう人気の食堂です。久松製麺所の直営店で、これぞ正統派!といった感じの安心感のある美味しさ。あっさりカツオだしに麺たっぷりの島の味。
前に宮古島に来たとき、公設市場のお店のネーネーに美味しいそば屋どこかありますかと聞いたら「すぐそこよ」と教えてもらったのがこのお店でした。じんく屋、おすすめです。
そのあとは、空に晴れ間も見えてきたので西里通りの富浜モーターズでレンタルバイクを借りて、特に目的もなくインギャーまで行って海を見て、島の西側をぐるっと回って戻ってきました。
レンタルバイクを返却して、バスで宮古空港へ。いつの間にかすっかり青空。
離陸する頃には夕焼けが美しくてしみじみ。
思い起こせばこの当時、ちょうど会社がいろいろとゴタゴタしていたタイミングで、気分転換しようと勢いで宿も飛行機も直前予約で取ってやってきたのでした。
これからまた日常に戻らねばならないという切なさ。それもまた旅の終わりの気分には欠かせないものかもしれませんね。名残惜しさが思い出をより深くするので。
旅のあとがき
というわけで以上、暴風吹き荒れる冬の宮古島&池間島、2泊3日の旅の記録でした。
池間島には今回訪れた場所の他にも、フナクスやカギンミなどシュノーケリングも楽しめる美しいビーチがあったり、多くの野鳥が集う広い湿原があったり、サメ料理が食べられる食堂があったり。宮古島ともまた違う独自の言葉や文化があり、知れば知るほど興味を惹かれる奥深い島です。またいつか必ず泊まりに行こう。
日帰りでは何度も立ち寄っていますが、泊まってそこで夜と朝を過ごすというのはやっぱり体験として全然違う、特別なものなんですよね。
気になった方は是非、宿泊で訪れてみてください。
それではどちら様も良い旅を。