2022年によく聴いた音楽・良かったアルバム、ライブを振り返る

2022.12.30

もはや年に1回しか更新されなくなってしまっている当ブログの音楽カテゴリーですが毎年やっているので続けます。

あまりにも早かった2022年でしたが、今年は個人的にも新しい分野での仕事が本格化したりもして大変慌ただしい1年でございました。

一方で世の中的にはコロナもようやく落ち着いてきて、ライブや野外フェスなどにも行くことができ、音楽体験の充実度も少しずつ戻ってきた感じ。

そんな2022年によく聴いた音楽作品をまとめて振り返ります。

2022年ベストアルバム20選

ジャンル分けなし。EP含む。順位は上位以外はほとんど意味なしですが一応つけてます。

1. NOT TiGHT – Domi & JD Beck

文句なしの1位です。鍵盤とドラムの若き天才二人組。なんというか「人力の演奏」でもまだまだこんな未知なる……新しくて楽しくて刺激的な音楽が作り出せるのだなという嬉しさがありました。ライブが観たい。

2. New Jeans – NewJeans

説明不要ですね。推しはヘリンです。

3. Meu Nome da Estrela – Xenia França

バイーア出身のシンガーソングライター Xenia França の5年ぶりとなる2作目。宇宙ブラジルの深みと歌心、先鋭的エレクトロニックな音の融合は相変わらずの素晴らしさ。鐘の音がどこまでもよく響く。

4. Estrela Acesa – Sessa

サンパウロのシンガーソングライター Sessa の2作目。サイケデリックな浮遊感ただようトロピカリアな幻想フォークがリモートワークの日常にたいへんよく馴染みます。

5. Nicole – NIKI

インドネシアのNIKI、88risingのNIKI(同じ名前の人が多数いるので……)。全体的に90年代っぽいノスタルジックさとシンセポップ的な涼しさで統一感あり、気持ちよく聴ける。センチメンタルかつポップな良いメロディーが多くて大変素晴らしいです。

6. Anyhow – Leland Whitty

12月に出たばかりですが、あまりにも良いので上位に。BADBADNOTGOODのメンバーでもあるLeland Whittyのソロ作品。レトロで未来なジャズとストリングスと電子音響に包み込まれるような映像系の音。とても気持ち良いです。

7. Meu Santo e Forte – MC Tha

シンセポップ系エレクトロニックなファンキ方面の人というイメージでしたが、作品出すたびにブラジル神秘~民俗系の深みが増してゆく。今作はなんと大御所サンバ歌手アルシオーネのレパートリーのカバー集。スピリチュアルなサンバは時代を超える、という感じの音になっています。

昔のTVショー仕立て(司会も出演も本人)で全曲を披露していくMV(?)も楽しいので是非ご覧くださいませ。

8. こちらあみ子 オリジナル・サウンドトラック – 青葉市子

使っているギターが自分が持っているのと同じ(YAMAHAの小さめのやつ)ということを偶然知って青葉市子さんにハマり、音楽を手掛けたこちらの映画も観に行ったのでした。映画自体も素晴らしくて、可愛く面白く辛くて重い、という感じの内容でしたが、サウンドトラックは生っぽい日常感が優しくそこにある、という感じです。ノイズも自然。生命力!

9. MOTOMAMI – Rosalia

もともとフラメンコの人として知ったのですが、今や世界のロザリア。午後の仕事のBGMに流すと目が覚めて気合が入り作業が捗ります。今回は日本ネタ多くて耳に入ってくる単語の響きも楽しい。照焼き!!

10. A Vida é Uma Granada – DINGO

ブラジル南部ポルトアレグリのバンド Dingo Bells が DINGO に改名しての初アルバム。70年代ソフト・ロック~トッド・ラングレンみのあるMPBが相変わらず素晴らしい。

11. Rio Bonito – Fabiano do Nascimento e Itibere Zwarg Collective

こちらも12月に出たばかりのやつですが、あまりにも良いので……。ファビアーノ・ド・ナシメントの清々しいギターと、エルメート・パスコアルとの活動でおなじみイチベレー率いる楽団によるマジカルで夢幻的なアンサンブルが柔らかく溶け合う素晴らしさ。

12. Dawn FM – The Weeknd

FMラジオで育った人間なのでこのコンセプトには逆らえませんね。とても楽しい。

13. Gemini Rights – Steve Lacy

GarageBandなローファイ路線から大きく広がりと深みを増してポップに楽しいフルアルバム2作目。ルックスもどんどんファンキーになっていく……。

14. Mil Coisas Invisíveis – Tim Bernardes

ソロ2作目。前作は国内盤も出るなどかなり話題になりましたが、前作以上にわびさび幻想フォークみが増していて今作さらに好きです。

15. How Is It That I Should Look At The Stars – The Weather Station

カナダのウェザーステーション。女性一人のバンド(?)で、現代オルタナティブ・フォーク的なシーンの人になるのでしょうか。なんといっても日が暮れていく浜辺で楽団がずっと演奏しているだけのアルバム全曲通し映像(↓)があまりにも素晴らしくてお気に入りに追加しました。よく眠れます。

16. Brasileiro Profundo – Arthur Nogueira

ブラジル北部パラー州ベレンのシンガーソングライター。昨年出たカエターノ・ヴェローゾのカバー集がたいへん良かったので注目していました。オリジナルも静かにドラマチックな歌が心に響く、良い出来。低温系の楽曲に低音ボーカルがなかなか他にない個性。

17. Centrifics – Marina Allen

最近の好みを表すテーマの一つに「カーペンターズ感」というのがあって、去年のClairoとかPearl Charlesとかまさにそれなのですが、今年はこちら。LAのシンガーソングライターの2作目。

18. Lore of the Land – The Order of the 12/Richard Norris

70年代英国幻想サイケデリックフォークをオマージュしたプロジェクトであるらしい。ジャケットからまさにそんな感じで、いつの時代の作品!? という気分になってきます。秋冬の空気によく馴染む。

19. Back to the Woodlands – Ernest Hood

発掘音源部門その1。70年代の「早すぎたニューエイジ/アンビエント」とのことで、フィールドレコーディングとチターやフルートの演奏による風景画のような音楽です。朝食のBGMにするともう最高。

20. Natureza – Joyce

発掘音源部門その2。ジョイスの70年代未発表音源集。なんといっても Feminina の11分バージョン! すべてが眩しい躍動感。

2022年ベストシングル3選

3選……。シングルしか出ていないものをこちらに。

The Garden Path – Kamasi Washington

何度も聴きました。

ひとり – soraya

ベースとピアノのジャズ/ポップ二人組ユニット。ベースの石川紅奈さんのマイケル・ジャクソンのカバー動画(ベース弾き語り)が素晴らしかったので活動をチェックしていたら、こちらの新ユニットもすごく良い感じで。この後に出た新曲「耳を澄ませて」も最高です。

Ditto – NewJeans

EPをベストアルバムのほうで選びましたが年末にさらにその上をいく素晴らしい曲を出してきたので……ここに入れざるを得ません。

2022年ベストライブ

青葉市子 “Windswept Adan 2022” with Phonolite Strings at BLUE NOTE TOKYO 2022.7.21

青葉市子

「アダンの風」の楽曲を弦楽四重奏団とともに再現するライブをブルーノート東京で……という、どう考えても最高なやつだったので、人生初のブルーノートに緊張しながら行きました。ライブもお店も最高でした。至福の時間。良いワインとともに素晴らしい歌と演奏を楽しめました。

「こちらあみ子」の欄にも書きましたが、春に自分が学生の頃から使ってるギターの品番を偶然調べる機会があり、そのときにたどり着いたのがこの動画で。

これをきっかけに青葉市子さん聴くようになったのですが、「アダンの風」からもわかるように沖縄とも関わりが深く(アダンは沖縄でよく見かける植物の名前)、海の環境保護などにも取り組まれているとのことで、知れば知るほど「わかるわかる」と、もうリスペクトしかありません。

Kamasi Washington at 横浜赤レンガ倉庫 ODD BRICK FESTIVAL 2022.9.23

Kamasi Washington at 横浜赤レンガ倉庫 ODD BRICK FESTIVAL 2022.9.23

大雨の中、野外でカマシ・ワシントン。ものすごく疲れましたが最高の体験でした。4列目くらいで観れました。雨の中ひたすら待って良かった。

カマシ・ワシントンを観るのは2019年の東京JAZZ以来3年ぶり。変わらずでかかった……。長身、というより「巨大」という感じなんですよね。存在感も含めて。

ステージは例によって各メンバーにしっかり見せ場を作って回していく感じで、次々と変化があって目が離せない楽しさ。監督のようでもあり、DJのようでもあり。

最後「Fists of Fury」で豪雨の中、最高潮の盛り上がりで締め。圧倒的でした。熱かった。

あとがき

以上、2022年の音楽体験の振り返りでした。

年々好みが静かで穏やかでアコースティックなものに寄っていってるのですが、今年はDomi&JD BeckやRosaliaなど、若手による好奇心と挑戦に満ちた新しい音にも大いに刺激を受けました。

AppleMusicの埋め込みコード、スマホ表示だとジャケット画像が小さく小さくなりますね……ジャケット載せたくて入れてるんですが……困ったものです。

K-POPはある日突然aespaにハマって久しぶりにガールズグループ系をチェックしてたらNewJeansが出てきてさあ大変という感じです。

ライブは紹介したものの他に、4月に赤レンガ倉庫でのBAYCREW’S FESTIVALで、サニーデイ・サービスと宮沢和史さん観れたのも最高でした。宮沢さんのMCで、コロナ期間のあれこれを経た上での「みなさん、これからも音楽をよろしくお願いします」という言葉が大変心に残っています。音楽をよろしく。

5月に川崎のはいさいFESTA、11月に横浜鶴見のウチナー祭で観た大工哲弘さんのステージも素晴らしかったです。ちむどんどん。

来年は屋内のじっくり聴く系のライブにももっと足を運びたいところ。少しずつ、かつての日常が戻りつつありますね。

あとは自分でもまた久しぶりに音楽作ったりしたい感じ。ステイホーム以降ずっと部屋でギター練習してるのでそろそろ何か形にしたい。

というわけで、来年もよろしくお願いいたします。

どちら様も良いお年を。

Music特集・まとめ

2022/12/29 (更新:2022/12/30)

書いた人:

一人旅ときどきギターと太鼓。年々増していく時の流れの速さと記憶力の低下に危機を感じ、いろいろなことを記録しておくために書き始めました。元CDショップ店員。現在はIT系のエンジニア。寒さに弱すぎるため旅行先は基本的に南の島です。釣りたい魚はアカジンミーバイ。

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Junineblog「未知との遭遇の日々」は、好奇心を忘れず生きていくためにいろいろな場所へ行き、いろいろな音を聴き、いろいろなものを食べよう、というブログです。

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