2020年によく聴いたアルバム 25選

すっかり音楽関連で書くことが減ってしまいましたが、毎年やってるのでやりましょう。

2020年の良かった&よく聴いたアルバムたちです。

4月から仕事が完全リモートになり、音楽は在宅勤務のBGMとして聴くことが増えたため、歌無し比率が高まっているような、そうでもないような。ともかく2020年のステイホームな空気が聴く音楽にも影響を与えたような印象はあります。楽しく盛り上がると言うよりは静かにコンパクトにじっくりですね。

アルバムと言いながらシングルもEPも入れてます。順不同、といきたいところですが、こういうのは無理してでも決めたほうが面白いので付けました。ジャンルも国もごちゃ混ぜなので、順番に聴くと非常に疲れる並びになってますが、それもまた年末らしさです。ごゆっくり、楽しんでいただければ幸いです。


1. Yene Mircha / Hailu Mergia

エチオピアの鍵盤奏者による白昼夢的に浸れるサイケデリックジャズ。郷愁ただよう旋律の快適謎グルーヴ。リモートワークが始まった春頃にひたすら繰り返し流していた思い出の1枚。おかげで窓から差してくる日差しのイメージで、眩しい。

2. Mundo Novo / Mahmundi

Mahmundi – Nova TV

リオのシンガーソングライター。日本でも好評だった前作に引き続き、都会的なシンセ・ポップに生っぽいソウル感を漂わせたクールなブラジル。気持ちよく聴けます。
https://twitter.com/yogurtetkinoko/status/1266362942406012938

3. Dari Balik Jendela / Monita Tahalea

Monita Tahalea — Sesaat Yang Abadi ( Official Video )

インドネシアのフォークシンガー。初のフルアルバム。あまりにも素晴らしかった前作のEP(もう5年前)の素朴なジャズカントリー風味から、よりドリーミーで広がりのある音になっていますが、変わらぬ歌声の良さ。サイモン&ガーファンクルのカバーも嬉しい。

4. Stella I / STELLA JANG

[MV] Stella Jang(스텔라장) _ Reality Blue

今の韓国で一番好きなシンガーソングライター。待望のフルアルバム。1人アカペラからおフレンチ風味なジャジー~アコースティックポップにラップまで、得意技が全部入った充実の内容。

5. Caetano Veloso feat. Ivan Sacerdote

Caetano Veloso – Manhatã (Live Performance) | Vevo ft. Ivan Sacerdote

カエターノ・ヴェローゾとクラリネット奏者のイヴァン・サセルドーチの共演盤。カエターノ久々のスタジオ録音アルバムで、そうそうこういうのを待っていた! という感じの、シンプルに歌を聴かせる弾き語りにクラリネットの美しい旋律が絡み合う。選曲はすべて過去のカエターノのレパートリーですが、これを持ってくるかという意外なものやこれまでスタジオ録音版のなかった他アーティストへの提供曲も含まれて、大満足の内容でした。

6. Baile de Máscara / Luana Carvalho

Luana Carvalho • Minha Festa

リオのシンガーソングライター、ルアナ・カルヴァーリョが、2019年に亡くなった偉大なサンバ歌手である母、ベッチ・カルヴァーリョに捧げた全6曲のサンバ集。
日本盤もリリースされて話題になった前作「Blanco/Sul」に続く2作目のオリジナルアルバムを制作中だったところ、コロナのパンデミックで状況が変わり、この作品の制作を思いついて先に作り上げたそうです。そんなわけでシンプルで優しい音の美しいサンバ。素晴らしいです。

7. Cinco / Silva

Silva – Passou Passou (Clipe Oficial)

ブラジルのシンガーソングライター。良い曲MPB路線を極めた前作から2年半ぶりのアルバムで、さらにシンプルにコンパクトに良い曲揃い。12月に出たばかりなのでこの順位ですが、これから繰り返し聴くことになるのでしょう。

8. Eternity, 나는 요즘, bye bye i finally disappear from your life, Tell me about your world / msftz

msftz(미스피츠) ‘2080’ Official MV

K-POPの大当たりはこちら。読み方はミスフィッツ。シングル4作出てますが全て素晴らしいのでまとめて。シンセドリームポップ的な音にエバーグリーンな韓国歌謡ポップメロディー、箱庭的でありながら宇宙的なイメージ。音に溶け込むような落ち着いたボーカル。あまりにも好みど真ん中でした。(あの素晴らしかった初期LOONAの1/3くらいまでの頃を思い出す……なんて思ってたらどうやらJaden Jeong氏が関わっているらしい。なるほどね)

9. Comma / Sam Prekop

Sam Prekop – “Above Our Heads” (official music video)

学生の頃はシー・アンド・ケイクとかシカゴ関連好きでよく聴いていたものですが、すっかり疎くなっておりました。今こんな音楽やってるんですね。包み込まれるような電子音楽。アンビエントポップに気持ち良い。

10. Night Dreamer Direct-To-Disc Sessions / Seu Jorge & ROGÊ

Seu Jorge & Rogê – Saravá

ロンドンのレーベルNight Dreamerによるセッションシリーズで、ブラジルのサンバソウル歌手2人、セウ・ジョルジとホジェーの共演。シンプルにアコースティックな音で軽やかなグルーヴ。渋く染みるボーカル。全てが良い。

11. Tempos Sem Tempo / Joana Queiroz

“Memórias” – Joana Queiroz

ブラジルのクラリネット奏者ジョアナ・ケイロス。耳を澄ませる系の美しさ。ミニマルなのに大自然。どの作品も素晴らしいですが、今回はなんとカエターノのカバーが入っている!

12. Melows em Casa / Caramelows

Caramelows – Salif Berry (Vai Estourar)

Linikerのバンドと思いきや最近個別に作品を出しているな……と思っていたら、どうやら活動分離したとのこと(Após 5 anos, Liniker e os Caramelows anunciam que vão se separar)。ソウルでファンクなカラメロウズのステイホームをテーマにした3曲入り。MVもリモート仕様で2020年ならではの仕上がり。

13. Mais do Que Eu Sei Falar / PLUMA

PLUMA | Mais do Que Eu Sei Falar

サンパウロの若手4人組バンドのファーストEP4曲入り。ジャジーでMPB的な60年代風シンセドリームポップという不思議な感じが面白い。

14. ユイヤサ! – ティンク ティンク

ユイヤサ!

沖縄・北谷町のライブハウスを拠点に活動するグループ。4人それぞれの作詞作曲によるオリジナルの沖縄ポップスを集めたアルバム。プロデュースはりんけんバンドの照屋林賢氏で、オリジナル曲集とはいえ琉球音階に沖縄方言に民謡の歌唱法、誰が聴いても「ああ沖縄」とわかる雰囲気で統一されています。メンバーの1人が宮古島出身というのも個人的に高ポイントで、ステージでは宮古民謡を歌ったり、自作曲も宮古島に関するものだったり、ズミさいが。いつかライブ観に行きたい。

15. Kiai II / Kiai

ブラジル Rio Grande のインストゥルメンタルグループ2作目。基本はピアノトリオ編成のジャズですが、プログレッシブな壮大な展開とロック的な熱さがあって今回も超刺激的。グループ名は日本語の「気合」らしいです。

16. Gil Baiana ao Vivo em Salvador / Gilberto Gil & BaianaSystem

GILBERTO GIL E BAIANASYSTEM | Emoriô/Dia da Caça [Encontros Tropicais – Ao Vivo em Salvador]

78歳の大御所が攻め攻め熱々ミクスチャーなバイアーナシステムの演奏で歌うという最高でしかないライブアルバム。

17. Ache of Victory / Zsela

Zsela – Undone (Official Video)

ニューヨークで活動するシンガーソングライターのファーストEP。ゆっくり沈み込む感じのエレクトロニックなR&Bで、不思議な深い響きのある声が深夜にハマる。名前は「ジェイラ」みたいな発音らしい。

18. Daily Mood / OVN

韓国のトラックメーカーで「オーブン」と読むらしい。ローファイヒップホップ全10曲で16分というコンパクトさ。夜食のBGMなどに、とてもよいです。

19. Which Way is Forward? / Obongjayar

Obongjayar – Still Sun (Official Audio)

ロンドンで活動するナイジェリアのミュージシャン。電子アフロビート・ラップという感じの独特さで面白くカッコいい音。

20. Gilberto Gil & Flor Gil

DE AVÔ PRA NETA | Norte da Saudade [Goodbye My Girl] | GILBERTO E FLOR GIL

ジルベルト・ジルと12歳の孫娘フロールの共演盤。ただただ平和。フロールのソロも出ており、そちらも最高です。

21. Lionheart / BOWKYLION

BOWKYLION – คงคา (Still) [Official MV]

タイのシンガーソングライターで、もともとSKIPITというバンドのボーカルだった人。バンド解散後にソロでオーディション番組に出演して注目を集めてからの初ソロアルバム。コンパクトなサウンドのシンセ・ポップに今のタイっぽいおしゃれジャジーソウル風味としっかりと聴かせる歌声が良いです。

22. Garden of Lucid / Ambar Lucid

Ambar Lucid – Fantasmas (Live)

アメリカ、ニュージャージーのヒスパニック・ラテン系のシンガーソングライター。よく響くドリーミーでファンタジーな音のインディーラテンR&Bという感じの個性。スペイン語と英語、低音と高音を自在に行き来するようなボーカルも素敵。

23. Numanice / Ludmilla

Ludmilla – Amor Difícil (Lyric Video)

ファンキ歌手と思っていたらこんな曲も歌うのねという。正統派ポップ・ブラジルな音の美メロ曲をしっかり歌い上げる6曲入り。チャラい若者と自由な大人で賑わうリゾートビーチの夜感あふれてて、こういうのは単純に好きです。

24. Pardes – Duta Pamungkas

Duta Pamungkas – Thousand Faces Gurl (Official Music Video)

インドネシアのシンガーソングライター。爽やかアコースティックでドリーミーです。英語詞が多いので英米のインディーポップ~フォーク・ロック的な音が好きな人にもおすすめ。

25. These Days / St. Panther

St. Panther – B.O.M.B. (Official Music Video)

カリフォルニア、アーヴァイン出身のシンガーソングライター。宅録ソウルジャズファンクR&Bという感じの音が面白い。風通し良く快適。

あとがき

Twilogの #nowplaying 履歴を辿りながら選んだ(便利)ので、ツイートしていないものなどの入れ忘れが多々ありそうですが、それはもう仕方ないということで。

思えば本当にあっという間だった2020年。数年後にこの今の空気を懐かしく思い出すときが果たして来るのでしょうか。音楽シーンにとってはものすごく大きな転換点になった1年だったかもしれませんね。

世界各国から、無観客ライブや自宅からのライブ配信などで音楽を届けてくれたアーティストも多かったですね。そういった部分でも、生活の中で音楽に触れる機会が増えたところもあった気がします。
個人的には久しぶりにギターの弦を張り替えて練習に明け暮れたりもしました。「ペット・サウンズ」全曲のコードを覚えて弾けるようになるのが目標です。道は長い。

それではどちら様も良いお年を。

Music特集・まとめ

2020/12/30

書いた人:

一人旅ときどきギターと太鼓。年々増していく時の流れの速さと記憶力の低下に危機を感じ、いろいろなことを記録しておくために書き始めました。元CDショップ店員。現在はIT系のエンジニア。寒さに弱すぎるため旅行先は基本的に南の島です。釣りたい魚はアカジンミーバイ。

Twitter | Instagram

人気記事

最近の投稿

アーカイブ

カテゴリー

このブログについて

Junineblog「未知との遭遇の日々」は、好奇心を忘れず生きていくためにいろいろな場所へ行き、いろいろな音を聴き、いろいろなものを食べよう、というブログです。

もっと詳しく