渡嘉敷島・真夏の日帰り原付一人旅 ~ 最強ケラマブルーの絶景をめぐる(そして泳ぐ)
2023.01.16
7月に日帰りで渡嘉敷島へ行き、原付で島を一周して阿波連ビーチでシュノーケリングをしてきました。
渡嘉敷島(とかしきじま)は沖縄本島・那覇から西に約30Kmのところにある島です。
ダイビングやシュノーケリングスポットとしても人気の慶良間(けらま)諸島を構成する島の一つで、那覇から高速船で約40分、フェリーだと約1時間ほどで行くことができます。
手軽に行けて最高に綺麗な海と慶良間の島々を望む絶景が楽しめる、渡嘉敷島の一人旅レポートです。
Contents
旅行計画 ~ 船のチケットとレンタルバイクを予約
久米島に滞在中(*)、那覇に戻ったあと残り1日休みがあるので、どこへ行こうかと考えていました。7月上旬、夏本番の沖縄、天気も最高――――ここはやっぱり海を楽しみたいということで、那覇から船で離島へ行こうと。
そんなわけで、まずは離島行きの船が出る「とまりん(泊ふ頭旅客ターミナル)」近くのホテルを検索して予約しました(前日までホテル予約してなかったという無計画さ)。スマイルホテル、ごく普通のビジネスホテルですが、とまりんのすぐ隣なので大変便利です。
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行き先は慶良間諸島の中でもっとも大きな渡嘉敷島に決定。船のチケットはネットで予約することができます。
前日の夜にホテルの部屋からチケットを予約して、運良く確保できましたが、夏休みシーズンなどは早くに完売してしまうことも多いらしいので要注意です。
今回自分は、行きはフェリー、帰りは高速船(マリンライナー)、という組み合わせで取りました。
フェリーのほうが出発時刻が遅いので朝ゆっくりできるなと。しかしフェリーは1日1便しかなく、帰りは高速船よりも先に出てしまうんですよね。高速船はもっと遅い時間まで運航しているので、現地滞在時間を長くするために帰りは高速船にしたというわけです。ただし料金の面では行き帰りの船種を揃えたほうが往復券が使えて安くなるようです。都合に合わせて選びましょう。
続いて現地での移動手段を確保。小さな島なのでここはやっぱり原付でめぐりたいところ。
というわけでGoogleマップで検索して見つけた「アロハレンタ企画」さんで予約しました。出発当日の朝に電話で問い合わせして予約できましたが、現地で受付している間もひっきりなしに電話が鳴ってて、その時はみんな在庫なしで断られていたので、くれぐれも予約はお早めに。
フェリーとかしきに乗って出発
というわけで出発の朝です。とまりんの乗船券売り場でチケットを購入。環境保護のための協力金もここで支払います。今回自分は往復券ではなく帰りが別の船になるので、帰りのチケットは渡嘉敷島のほうで購入してくださいとのこと。
フェリーで食べるためにマーミヤかまぼこ(とまりん内にショップがあります)とさんぴん茶を購入。荷物は海用の装備だけを持って、残りはとまりんのコインロッカーに預けました。
準備ができたら早めに乗船。天気も良いのでデッキの座席を確保しました。フェリーはこれがあるから良いですよね。
午前10時。出港の時間。泊大橋のアーチの下を通って、いざ真夏の沖縄の海へ!
青空を見上げると、那覇空港へと向かう飛行機が頭上を飛んでいきます。最高最高。
しばらく進むと、ツアー先として人気のナガンヌ島をはじめとするチービシ環礁の島々が右手遠くに見えてきます。
さらに前島の横を通り過ぎ、いよいよ近づいてくる渡嘉敷島。港へ入っていく直前に右手に見える城島(グシクじま)もとても美しい風景です。
そして渡嘉敷港へ。すでに海の色が最高に眩しい。船を降りるまでの間、乗客みんながそわそわ、ざわざわし始める空気が夏の高揚感。
渡嘉敷島に到着
船を降り、待合所まで歩いていくと、レンタルバイク屋さんの方が案内板を持って待っていてくれました。送迎の車に乗って、お店へと移動します。と言っても場所は徒歩でも1〜2分くらいで来れそうなすぐ近く。ただし道が細くて一方通行の場所もあったりするため、その説明も兼ねての車での送迎でした。なるほどわかりやすい。
受付を終えて、原付で出発! ……の前に、先ほど到着した港の待合所へと戻り、帰りの高速船のチケットを購入しておきます。
無事にチケットを確保したら、まずは島の北側にある集団自決跡地と展望台を目指して出発!
山を登れば絶景の展望台
集落を抜けて案内板に従って右折すると、一気に山道へ。雰囲気的にはかなり「やんばる」的ですね。緑あふれる山の中。
山の無い宮古島とかとは全然違ってて新鮮です。
結構高いところまで来たぞ……と思ったところで左手の視界が開けて強烈な絶景が現れます。青すぎる海と緑の島々。その境目に広がる光り輝くような白い砂浜! これぞ慶良間諸島!
山の上までたどり着くとハブ対策のゲートがあるので、それを開けて(そして閉めて)先へと進みます。駐車場に原付を停めて、まずは西展望台へ。
慶良間の島々が一望できますが、さっき山道から見えた景色と大体同じ……と思いきや、角度がちょっと違うのでここからは阿嘉島の阿嘉大橋まではっきり見えました。
そこから東展望台へと向かう途中に、沖縄戦の戦争遺跡である集団自決跡地があります。
こちらもハブ避けのゲートを開けて入場。石碑があり、拝んできました。沖縄好きとして歴史は学んでおきましょう。
続いて東展望台へ。こちらからは前島やチービシ、そして遠くに広がる沖縄本島が見えます。
それにしてもこの辺のスポットは静かで誰もいません。フェリーはかなり賑わっていましたが、海遊び目的の人がほとんどなので、ビーチ以外の場所は夏場でも空いているようです。
青年交流の家という施設を抜けて、来たときとは反対側の道を下って港のほうへと戻ります。こちらのルートも視界が開けており爽快な風景が楽しめます。陸橋をジグザグに下っていくのもスリリング。
渡嘉志久ビーチの美しさ
港からふたたび集落を抜けて、今度は島の西側のビーチへと向かいます。まずは渡嘉志久(とかしく)ビーチへ。
山道を進んでいると、歩いてビーチへと向かっている人々を目撃! レンタカーが取れずバスにも乗り損ねると、ビーチまで歩いていくことになるらしい……距離的には3kmくらいなので大したことはなさそうですが、真夏の炎天下に山越えはつらいはず……くれぐれも予約はお早めに。
山を越えてビーチへと坂道を下っていくと、目の前に広がる眩しい青色! これが真夏のケラマブルー!
渡嘉志久ビーチはウミガメ遭遇率が高いことで知られる穏やかなビーチ。海水浴場としての施設もしっかり揃っていて安心して遊べますね。そして意外と空いてて静か。
それにしても海の透明度!
思わず飛び込みたくなりますが、今回はまだ行かねばならない場所があるのでぐっと堪えて、景色と波音を楽しんだら再出発です。
険しい山道を登ってたどり着いたのは慶良間海峡展望所。渡嘉志久ビーチを見下ろして、青い海の向こうには慶良間の島々が一望できる、最高の絶景スポット。
―――と、そこでレンタルバイク屋のスタッフさんと遭遇! ツアーのお客さんを車で送迎中のようでしたが、「今日はめちゃくちゃ綺麗ですねー!」と声をかけてくれて。一人旅のときにこういうのとてもありがたく嬉しいですね。
阿波連ビーチでシュノーケリング
さて、いよいよ今回の最大の目的地、渡嘉敷島を代表する海水浴場、阿波連(あはれん)ビーチへと向かいます。
集落の中にある駐車場に原付を停めて、歩いてビーチへ。
そして見えてくる有名な景色! ここから既に最高……夏への入り口すぎるこの眩しさ!
いざ砂浜へ!
凄い凄い……ただただ凄い。青く透明な海。
左側がマリンスポーツのエリア、右側が遊泳エリアになっているようでした。監視員もいて安心。これはもう泳ぐしかない。
というわけで、シュノーケルセットをレンタルして海へ。入り口すぐ横にコインロッカーやシャワーが揃った海の家があります。
海に入るとすぐにコバンアジの群れ(かわいい。砂地のエリアによくいますね)。サンゴのあたりまで行くとチョウチョウウオ(かわいい)、カラフルなベラなどなど、熱帯魚が次から次へと!
クマノミも発見!
水面に浮かんで顔を出せば360度ケラマブルーの透明感。これだけでも楽しい。
40分ほど泳いで、そろそろ昼食へ。
集落内に良さげな飲食店もいくつかありましたが、シュノーケルセットを借りた「海の家ハウオリ」で食事もいただくことにしました。
ここはやはりタコライス! 海の家で食事なんて何年ぶりでしょうか。
こんな時はきっと何を食べても美味いんでしょうけど、店内もレトロなハワイアン風で良かったです。
食後も少しだけ泳いで大満足。15時を過ぎると、フェリーで帰る人たちが港へと引き上げ始めるので、ビーチも空いてきてゆったり過ごせました。ただし日差しとともに海の眩しさも弱まるので、泳ぐならやっぱり昼時のほうが楽しいかも。
阿波連岬の壮大な非日常感
さて、高速船組にはまだもう少し時間があります。シャワーを浴びて着替えたら、最後の目的地、渡嘉敷島の最南端にある阿波連岬展望台を目指して出発です。
阿波連集落を抜けて坂道をぐぐっと登ったら、あとはひたすら南へと向かうのみ。ずっと山道ですが、道路は一本しかないので迷うことはないでしょう。
坂を登ったところから眺める阿波連ビーチも最高。
こうして見るとまだまだ軽石が目立ちますね……早く全面真っ白なビーチに戻りますように。
山道を進んで15分ほどで、阿波連岬に到着。かなり広々とした駐車場がありますが、こちらも北側の展望台と同じく訪れた時には完全無人でした。
東屋と公衆トイレがあり、ビーチへと降りられる階段もあります。
この辺一帯が阿波連岬園地として整備されており、ここから歩いて最南端の展望台(阿波連岬第一展望台)へと向かいます。
小道を歩いていくと目の前に広がるのは白く滑らかな断崖絶壁の岩場!
沖縄ではあまり見かけない感じの岩だなと思って後から調べたら、凝灰岩質とのこと。慶良間諸島も久米島と同じく霧島火山帯に属するようで、このような火山由来の地質が存在するわけですね。
それにしてもこの壮大な断崖絶壁に一人、というのはなかなかに世界の果て感というか、SF的な非日常を感じます。
小道の途中にある第二展望台からは島の東側の風景が望めました。
緑あふれる林道とオーシャンビュー
ゆっくり風景を楽しんだら、そろそろ帰りの船の時間に備えて港のほうへと戻りましょう。
帰りは島の東側を走る林道に入ってみました。これがまた……ずっと山の中なのかと思いきや、各所に絶景オーシャンビューポイントが潜んでいます。
車も全然通らないので快適ですが、カーブは多いのでくれぐれも安全運転で。
山を越えて下りに入ったあたりに展望台がありました。その名はアラン展望台。
城島、前島から沖縄本島まで見渡せます。冬場はここから鯨が見えることもあるらしい。
そこから数分のところにも展望台が。こちらはそのまんまのネーミングで「港の見える丘展望台」。
マリンライナーとかしきで帰る
集落エリアへと戻ってきて、レンタルバイクを返却したら、歩いて港へと向かいます。
港の売店で渡嘉敷島名物の「まぐろジャーキー」を購入。パッケージ裏には船の時刻表まで載っているという優れものです。
そんなわけで、乗船待ちの列に並び、港に入ってくる船を眺めながら夏の夕暮れ感に浸ります。
いよいよ乗船。さらば渡嘉敷島。帰りは高速船なので、座席は快適な室内です。乗客みんな遊び疲れて眠そうな空気に満ちていて、それもまた夏休みだなという感じ。
しかしゆっくり休むまでもなく、あっという間に那覇に到着。お疲れ様でした!
完璧な夏休み感をありがとう! また行きましょうね。
旅のあとがき
以上、真夏の渡嘉敷島日帰り旅のレポートでした。
那覇から手軽に行けて大満足できるので、沖縄旅行で海をメインに楽しみたいなら完全におすすめです。2泊3日のうち1日は渡嘉敷島、みたいな感じで全然行けます。
とにかく海が最高すぎるので、1日ビーチで過ごすなら港からバス移動でもいいかもしれませんね。
絶景展望スポットめぐりも楽しむなら、やっぱりレンタカーかレンタルバイクが良いと思います。集落エリアとビーチ周辺以外はほぼ山です。
あとは、手軽に行けるだけあって、ウェ〜イ系のパリピな人たちもそれなりにいたので、特に阿波連ビーチ周辺は「離島のゆったりとした島時間と波音に癒され……」みたいなのを求める人には向かないかも。割り切って、夏だ! 海だ! バナナボートだ! という勢いで楽しむのが正解だと思います。もしくはオフシーズンに行くかですかね。
渡嘉敷島はとにかく展望台が各所にあって、回りきれなかったところもいくつかあるので、次回はその辺を補完しつつ、現地の飲食店にもいろいろ行ってみたい感じ。
夏が待ち遠しいですね。
ではではどちら様も良い旅を。