下地島空港でレンタサイクルが借りられるようになったので利用してみました

2023.04.04

2019年3月に開業した「みやこ下地島空港ターミナル」。宮古島と橋でつながった下地島にある空港で、LCCのジェットスターが就航しており、手軽に安く宮古島旅行に行けるようになったということで注目を集めています。

その下地島空港にて、2019年7月19日より観光客向けのシェアサイクルのサービス「TIDA BIKE(てぃだバイク)」がスタートしています。

下地島空港は宮古島の中心部からはかなり離れているため、到着した観光客の多くは基本的にレンタカーやバス、タクシーなどで空港から宮古島のホテルまで移動する流れになるのですが、実は空港周辺にも見どころはいっぱい。自転車に乗って海風に吹かれながらめぐれば、それはきっと楽しい!

ということで、実際に利用してみることにしました。

※記事内のレポートは2019年8月時点のものです。これから実際に利用される際は最新の情報もあわせてご確認ください。


利用する方法と注意点

下地島空港TIDA BIKEレンタル自転車ポート

受付は空港ターミナル正面入口を入ってすぐ横のカウンター。グッズ販売スペースの向かいにあります。

自転車なので特に免許証などの確認もなく、名前と連絡先を用紙に記入して、料金を支払います。料金は前払いクレジットカード決済のみ

注意点として、まだ実証実験的な導入のため、貸出&充電のポートがあるのは現時点で下地島空港のみ。空港で借りて、返すときはまた空港に戻ってくるしかありません。なので、シェアサイクルとなってはいますが、現状はあくまで「電動自転車のレンタル」サービスです。

また、営業時間が10:30~13:00、14:00~18:30となっている点も要注意。帰りの成田行き飛行機(11:10発)の出発前に朝から早めに空港入りして自転車借りて……みたいな使い方は無理そうです。関西空港行き(18:55発)の場合は使えるかも。

2023年4月追記:こちらも現在の「しまそらポタリング」では10:00~19:00の営業で、一泊二日での利用も可能になっているようです。素晴らしい!

荷物は受付で預かってもらえるので安心です。

スタッフの人に案内されて屋外の自転車置場で簡単に操作方法の説明を受けて、いざ出発! という流れ。

鍵も電動で、カードキーをかざすとロックが解除されるという仕組み。ここで重要なのが、充電が切れるとロック解除もできなくなるということ!

フル充電で走れるのが大体15kmくらいで、急坂などではさらにバッテリー消費が早くなる……とのことなので、充電にも気を使いながら走る必要があります。遠出は難しそう。

TIDA BIKEのバッテリー表示
バッテリーの使用状況はハンドルのメーターで確認できます。

平坦な道では電源オフにして節約するという手もありますが、電動アシストで電源オフにすると一気に重く感じてなかなかつらい……ともかく、計画的に走りましょう。

(充電が切れたけど引き続き利用したい場合は、一旦空港に戻ってきて自転車を交換することは可能だそうです。)

下地島の南側を回って17ENDまで行ってみる

伊良部橋前交差点の宮古まもる君
伊良部橋前交差点の宮古まもる君

まあなんとかなるだろう、ということで出発!

下地島の南側をぐるっと回って17ENDまで行って戻ってくることにしました。

17END(ワンセブンエンド)とは:下地島空港の滑走路の端の海に面した部分のこと。周辺には遠浅の美しすぎるビーチが広がっており、まさに天国。17ENDという名前は飛行機が着陸する方角に由来する航空用語だそうです。

実は電動アシスト自転車というものに乗ること自体が初めてだったのですが、なるほど確かに「アシスト」という感じですね……。踏み込む力を増幅してくれる感じ。

空港を出てゴルフ場やサトウキビ畑を通り過ぎ、まもる君人形が現れたところで右折します。

案内標識もあるので、「通り池」の方向に進んでいけば迷うことはないでしょう。
下地島の畑の中の道を自転車で走る
どこまでも畑。

畑を横切る一直線の道をひたすら走り抜けると、島の西側へと出ていよいよ海が見えてきます。

カーブして北に向かうと、ゆるやかなアップダウンが増えてきました。空港の滑走路のイメージから平坦な島という印象でしたが、実は意外と起伏が多くて予想以上に疲れる……電動アシストの本領発揮です。

車が大量に停まっている場所が見えてきたら、そこがカヤッファ(中の島海岸)。シュノーケリングもできる人気のビーチです。

賑わう中の島海岸
台風接近中だというのに泳いでる人多い!

せっかくなので寄り道。コーラを買って、足だけ海に入って休憩。

台風が近づいていた日で波はかなり強く、小石がゴロゴロ流れてきて足にぶつかってくるような状態でした。マリンシューズ買わねば……。

一息ついたら再出発。そこからすぐの帯岩と通り池は以前にも訪れたことがあるので今回はスルーして、いよいよ17ENDへ!

17ENDまであと少し
この先……海!

両側の木々がパッと開けて左に眩しい海、右に広々とした空港の滑走路が現れる瞬間は本当に感動します。

17ENDに到着

下地島空港17END
下地島空港17END

17END、2018年に初めて訪れたときはまだ車で通れていましたが、下地島空港の開業にともない現在は車両進入禁止になっています。

入り口に自転車を停めて、歩いて回ります。

……と思ったら自転車で中まで入ってる人いた! 下地島空港の公式インスタアカウントでも自転車で入ってる写真がアップされていたので、自転車は通行OKみたいですね。受付で聞いておけばよかった。

空もいい感じに晴れてきて、これぞ17ENDな完璧な色!

17ENDは潮が引いてるときの砂浜が広がったタイミングが最強に天国なのですが、今回は水多めで砂浜ほぼ無し……それでもこの海の色で120%の満足度です。

ついでに沖を行く小舟という絵になる景色も見られました。

17ENDの海をゆく小舟
なんて贅沢な航海!

泳いでる人たちもいてうらやましい。今回はさすがに台風で海には入れないだろうと思って何も準備してこなかったのが悔やまれます。

完全に夏。そして暑い。

17ENDは日陰が全くありません。日焼け&熱中症対策を忘れずに。

向かい風に自転車はかなり大変

下地島南海岸の道沿いの小さなビーチ
道沿いの小さなビーチ。

ふたたび自転車に乗って、来た道を戻ります。

これが……きつかった! この日は台風の影響でかなり風も強かったのですが、帰りは完全に向かい風で、とにかく自転車が進まない……!

ついでに早くも充電が半分以上減っていることに気づき、下り坂では電源オフにしてみたりしてたら、余計に進まない! 車輪が小さいとこんなに大変とは……

炎天下で暑いし周りはひたすら畑で店も自販機も何も無いし……本当に熱中症になって終わるのではないかと思いました。

ようやくまもる君のいる交差点までたどり着き、伊良部橋を渡って隣の島、伊良部島の集落エリアへと入ると、ついに自動販売機出現!

伊良部島の集落へ
伊良部島の集落へ。

水分補給して、そこからは風向きも変わったおかげで、どうにか生き返りました。

伊良部島の集落で昼食~入江周辺をめぐり空港で返却

体力を回復させねば……ということで向かったのは長浜集落にある伊良部そばの店「かめ」。味も雰囲気も最高のお店です。

伊良部島特産のカツオのなまり節が入った伊良部そば。まさに体力回復魔法的美味さ。

「かめ」の伊良部そば
「かめ」の伊良部そば

最後に黒浜御嶽~佐和田の浜の海沿いの道を通って平成の森公園へと進み、伊良部島と下地島の間の入江の風景を楽しんでから、空港へと戻りました。

充電ちょうど使い切るくらいのタイミングで無事到着!

カードキーを受付に返却し、預けていた荷物を受け取って手続き終了! おつかれさまでした。

利用してみた感想

平成の森公園にて。TIDA BIKEとみーや
平成の森公園にて。

想像以上にハードで大変でしたが、なんだかんだで楽しかった!

自転車でしか見られない景色、味わえない空気というものがありますからね。気になった方はぜひ利用してみてください。

ただ、下地島の南側を回るのはやっぱり大変。あとから調べたら、空港から南回りで17ENDまでが約9km。往復すると軽く15km超え……充電を使い切ってしまう距離です。そして車輪が小さいので、電源オフで走るのはかなりきつい。

あらかじめ距離を調べた上で、快適に回れるエリアに絞って利用するのが正解かなと思いました。

今後、各地にポートが増えて充電&返却が自由にできるようになれば、もっと便利に楽しく使えるはずなので、期待したいところです。

伊良部大橋を……渡りたい……

おすすめのサイクリングコースを考えてみる

参考までに下地島空港から下地島・伊良部島の定番スポットまでの距離を調べてみました。

  • 通り池・・・8.2km
  • 中の島海岸・・・6.7km
  • 17END(佐和田の浜側入口)・・・2.5km
  • 17END(通り池側入り口)・・・9.0km
  • 佐和田の浜(ふれあい広場入口)・・・2.3km
  • 白鳥崎・・・5.5km
  • 渡口の浜(西側入口)・・・3.8km
  • 渡口の浜(東側入口)・・・4.3km
  • 伊良部大橋(入口のまもる君)・・・8.3km
  • 牧山展望台・・・8.5km
  • 佐良浜港・・・8.0km
  • BOTTA(佐和田集落)・・・1.9km
  • 伊良部そばかめ(長浜集落)・・・3.3km
  • なかゆくい商店(国仲集落)・・・2.8km
  • レストランさしば(国仲集落)・・・1.9km
  • 琉宮, レストラン入江(伊良部集落)・・・3.3km
  • ブルータートル(伊良部集落)・・・4.3km

※Googleマップを使用したあくまで参考数値です。
※17ENDは通行しないものとして、中の島海岸&通り池は下地島南回りでの距離。

上記をベースに、TIDA BIKEを使って下地島空港から往復15km以内で戻ってこれる観光コースを考えてみると……

伊良部大橋の入り口までなら、充電オフで節約しながら行けばなんとか往復できそうですが、渡るのは厳しそう(全長3.5km以上あり傾斜も大きいです)。同様に佐良浜港と牧山展望台も、遠い上に坂道が険しいため却下。下地島の南回り(中の島海岸、通り池)は今回の経験から言ってもかなりきつかった!

ということで、やはり下地島と伊良部島の間の入江周辺に絞るのがよさそうです。3つのコースを考えてみました。

1.ビーチを満喫するなら……渡口の浜+佐和田の浜+17END=「最強砂浜めぐりコース」

渡口の浜
渡口の浜

空港を出て、まずは渡口の浜へ。西側入口に自転車を停めて、極上の砂浜を堪能します。砂浜を歩いて東側入口のカフェ「ブルータートル」まで行って休憩するのもいいですね。

そこから伊良部島の入江沿いを北上して佐和田の浜へ。集落エリアを通るので、どこかで昼食にしてもよいです。

遠浅で静かな佐和田の浜でゆっくりくつろいで、海沿いの道を通って17ENDへ。滑走路周りの景色を堪能しながら砂浜のあるところまで行きましょう。

17ENDの砂浜は干潮時に現れるので、潮の時間を調べてタイミングによっては回る順番を逆にすると良いかも。

これでトータル12~13km。起伏も少ないエリアなので快適に回れます。

2.青い海を見ながら走りたいなら……白鳥崎+佐和田の浜=「伊良部ブルー体感コース」

佐和田漁港横のビーチ
白鳥崎へと向かう途中、佐和田漁港横のビーチ。(2018年5月撮影)

とにかく海沿いの道を走りたいなら、伊良部島の北端である白鳥崎まで行ってみるのもあり。行きはずっとゆるやかな登り坂が続くのでちょっと大変ですが、途中かなりの区間がオーシャンビュー。ガードレールのすぐ向こうに美しすぎる砂浜があったりもして、伊良部ブルーの眩しさを全身に浴びながら走ることができるでしょう。

折り返し地点の白鳥崎は公園になっていてトイレもあるので安心です。

集落まで戻ってきて昼食。食後に佐和田の浜で疲れを癒やす。

これでトータル11~12km。坂道でバッテリー消費することを見越して欲張らずにいきましょう。

3.マニア向け……「入江の橋を全部渡るコース」

たいこ橋とTIDA BIKE
たいこばし。入江の風景も美しい。

下地島と伊良部島の間の入江には小さな橋がいくつも架かっています。それぞれに景色も良くて魅力がありますが、普通のレンタカー旅行では素通りしてしまいがち。

せっかく自転車ということで、そんな入江の小さな橋たちを全制覇する、というのはちょっと面白そう。

下地島と伊良部島の間をあみだくじのようにひたすら往復して、自然あふれる入江の風景を楽しむのです。マングローブの木なども見られます。

レストランも入江沿いにいくつかありますし、一番南の乗瀬(ぬーし)橋を渡ってすぐの渡口の浜で休憩するのもよさげ。トイレも渡口の浜の西側入口にあります。

通るルートにもよりますが、トータル11~12kmに収まるはず。お好みで17ENDか佐和田の浜をオプションで追加しましょう。

まとめ

以上、下地島空港のレンタサイクル「TIDA BIKE」を実際に利用してみてのあれこれでした。

おすすめコースは単に自分が次に利用するならどうするか、という感じで考えました。入江の橋全部渡るのはいつかやってみたい……。飲食店も充実してるので、ひたすらハシゴして食に走るのもありかもしれません。かめの「かめそば」「伊良部そば」は鉄板ですが、レストランさしばの「いかすみペペロンチーノ」もおすすめ。なかゆくい商店(サーターアンダギーの人気有名店です)にも寄れますし、ローカルスーパーで知る人ぞ知る「ピンク玄米」を手に入れるのもあり。

機会があればぜひ、お試しください。

では!

日焼け止めと水筒は必須です! 海に入るなら日焼け止めはサンゴに優しいタイプのものを選びましょう。

Travel沖縄宮古島

2019/09/08 (更新:2023/04/04)

書いた人:

一人旅ときどきギターと太鼓。年々増していく時の流れの速さと記憶力の低下に危機を感じ、いろいろなことを記録しておくために書き始めました。元CDショップ店員。現在はIT系のエンジニア。寒さに弱すぎるため旅行先は基本的に南の島です。釣りたい魚はアカジンミーバイ。

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