下地島空港に行ってきた ~ 成田からLCCで宮古島へ! リゾート感満点の空港と周辺の見どころを歩く

2019.09.11

2019年3月30日よりジェットスターが就航して運用が開始された「みやこ下地島空港」。
宮古島と橋で繋がっている小さな島、下地島(しもじしま)にある空港で、数年前まではパイロットの訓練飛行用に使われていました。

下地島空港の特徴といえばなんと言ってもその周辺の景色! 「17エンド」と呼ばれる滑走路周辺が海に囲まれており、遠浅の白い砂浜と珊瑚礁の上に宮古ブルーの透明感が広がる、それはもう言葉では説明できないほどの眩しい美しさなのです。

去年レンタルバイクで訪れた時に、その海の色にものすごく感動させられたのですが、今度はその景色を飛行機で空から見ることができる……! 行くしかない!

ということで、早速行ってきました。

今のところ、下地島空港への国内線はLCCのジェットスターが成田空港と関西空港から飛んでいるのみ。しかも成田からの出発便は早朝なので、安いとはいえ決して「便利!」とは言いがたいのですが……

先に結論から言うと、最高の体験でした!
着陸時に窓から見える景色はもちろん、空港そのものもリゾート気分満点の快適空間で、これを体験するためだけでも利用する価値はあるなと思うくらい。

宮古島に行くだけが目的なら、宮古島内にある宮古空港のほうが羽田からの発着便も多く市街地にも近くて便利です。しかし下地島空港には便利さを超えた特別な魅力がある……!

そんな下地島空港の魅力と特徴、利用する際の注意点など、実際に行ってみてわかったこと、感じたことをまとめておきます。

記事内の情報は2019年4月と8月に利用した際の体験にもとづくものです。実際に行かれる際は最新の情報もあわせてご確認ください。


LCCの朝は早い・・・

横浜市内在住の自分が成田空港朝7時半発の飛行機に乗ろうと思ったら、前日の夜から成田入りしてないと間に合いません(車やタクシーで直接向かう、という力技は除いて)。

下地島空港行きの飛行機はLCCのジェットスターなので、発着は国内線ターミナルの駅(空港第2ビル)からも遠く離れた第3ターミナル(徒歩10分くらいかかります)。また、LCCは時間厳守が鉄則で、手続きの締め切り時刻も大手に比べると早くなっています。特に朝は保安検査場が混むこともあるので、余裕を持って最低でも出発時刻の1時間半前くらいには着いておくのが安心。

というわけで、前日夜に電車で成田空港へ向かい、第3ターミナル内で夜を明かすことにしました。空港泊なんて久しぶり。

成田空港第3ターミナルに泊まってみた

夜の成田第3ターミナル
成田空港第3ターミナル

成田空港には第2ターミナルに「北ウェイティングエリア」という待合室があり、そこに泊まることもできるのですが、すでに何度か利用したことがあるため、今回は初の試みで第3ターミナルでの宿泊を試してみることに。

フードコート周辺が夜間も開放されており、ソファーが並んだスペースでみんな横になって寝ています。
フードコート内のテーブルも利用できるので、ソファーが取れなかった人はテーブルにうつ伏せで寝てたり、ノートPCを開いて作業をしている人もいました。
ターミナル内のローソンは24時間開いてるので便利。充電用のコンセントもあります。

夜の成田第3ターミナルフードコート
左側に見えるソファーでみんな寝ています

初めて第3ターミナルに泊まってみた感想としては「おすすめはしない」です。

フードコートの店やターミナル内のお土産屋さんなどは大体22時には閉店してしまうのですが、その後には当然清掃などの作業が入ります。広い広いフードコートなので、かなり大掛かりで音もうるさく、深夜までやっています(日によって多少の違いはありそうですが)。

なので「ゆっくり休む」というのは基本的に無理。まあそんなことは最初から気にしない人が空港に泊まるわけですが、少なくとも北ウェイティングエリアのほうが、待機専用に作られているだけあって静かです。

ただしソファーの寝心地は北ウェイティングエリアのベンチより快適でした。

成田空港のすぐ近くには東横インもありますし、第2ターミナル直通の綺麗なカプセルホテルも数年前にオープンしてるので、前日入りでしっかり休んでから出発したい人はそういうところを利用するのがおすすめです。自分も次は多分そうします。

意外と空いてて快適な日曜日のフライト

成田第3ターミナルの朝

無事に夜が明けて朝食をとり、いざ搭乗。

目的は下地島空港周りの海を空から見ることなので、当然窓側の席を予約していました。

座席の状況は……前後も、横の2席も、空席!

人気の宮古行きで格安のLCC、話題の新空港オープンからまだ2週目であっても、オフシーズンの日曜早朝・成田発だとこうなるのかー……という感じでした。

空いてて快適でしたが、現状まだ一般層には「下地島行き」と聞いても「どこ?」という人が大半でしょうから、需要が増えてくるのもこれからなのでしょうね。快適に乗りたいならお早めにどうぞ。

おそらく一番混むのが金曜と土曜。逆に下地島空港発の帰りの便は日曜と月曜が混んでそうです。

眩しすぎる青い海! 感動の着陸

約3時間のフライトを経て、飛行機はいよいよ着陸態勢へ。

天気予報は完全に曇り時々雨で、沖縄上空を飛んでいる間も窓の下は一面の厚い雲……。

これは海の色もあまり期待できないなと諦めていたのですが、いよいよ海が見えてきて、間も無く着陸かというところで、予想に反して空が……青い! 晴れている!

下地島空港へ着陸する直前の空からの写真

そして海面が近づいてきて、あの珊瑚礁の海、17エンドの水色が眼下に広がって……機内のいろんなところから「見て見て凄い!」「めっちゃきれい……」と興奮した声が上がり始めて……

下地島空港に着陸!

着陸するまで約20秒ほどの感動体験。

正直もうこれで旅費の元は取ったという気分になりました。あの機内全体に漂う高揚感こそが圧倒的な価値でした。

通常は滑走路の北側(17END側)からの着陸になるため、綺麗な海が見たいなら右側の端の席がおすすめ。ただし当日の風向きなどの状況によっては南側からの着陸になることもあるようなので、あくまで運次第と思って取りましょう。

良かった良かった……。

しかし感動はこれだけでは終わりません。飛行機を出て、下地島の地面に降り立ってからも、興奮が続きます。

空港施設はまさにリゾート

下地島空港の滑走路

下地島空港のターミナルビルは小さな一階建ての建物なので、ボーディングブリッジがありません。飛行機から出るときはタラップの階段で地上に降りて、外を歩いて建物に向かうことになります。

この時まだ下地島空港にはジェットスターの1往復便しか就航していないので、広々とした滑走路にいるのは自分たちと、乗ってきた一機のみ。この特別感!

広い空と緑に囲まれて、不思議な静けさもある風景。そして、照りつける太陽。完全に夏です。

きっと乗客の大半が自分と同じく事前に天気予報を見てまさか晴れるとは期待してなかったはずで、飛行機の外に出てからもあちこちから「晴れてるやん!」「最高」といった声が聞こえてきて……このライブ感というか、体験を共有している謎の一体感みたいなのも旅の面白さだなーと。素晴らしい時間でした。

下地島空港ターミナルビルへの遊歩道

ターミナルビルへの通路も完全南国リゾート仕様。トロピカルな植物たちに囲まれた庭のような通路を抜けて、建物の入り口にはシーサーが。

荷物受け取り所に入ると左側が全面ガラス張りで、外にはなんとプール! リゾートホテルか!

下地島空港のプール
さすがに泳ぐためのものではありません。

トイレの男女別表示マークも沖縄仕様!

沖縄仕様のトイレ男女別表示
かりゆし!

トイレに更衣室が併設されてたのも素晴らしいなと思いました。寒い地方から厚着のまま南国に降り立って、今すぐTシャツに着替えたい! という需要、確実にありますものね。

外に出ると、これまた需要を押さえた記念撮影スポット。

みやこ下地島空港・石灰岩の看板
下地島空港フォトスポット

あらゆるところが絵になる、映える、SNS時代をよくわかっているなという感じです。

飲食・ショップエリアも木材基調の涼しげな内装で快適。

せっかく来たのでカフェ&バー「Grab&Go」で空港オリジナルメニューをチェックしましょう。

宮古島ハイビスカスの「あかばなあソフト」を注文しました。ハイビスカスエキス入りのソフトクリームに飛行機型のホワイトチョコレートが乗っています。

宮古島ハイビスカスあかばなあソフト
あかばなあソフト

壁の少ない、半オープンエアみたいな造り。台風の時ここどうするのか……気になります。

Grab&Goのカフェテーブル

下地島空港から宮古島への移動方法について

そんな最高な下地島空港ですが、多くの人にとってメインの目的はやはり「宮古島旅行」のはず。

下地島空港から、肝心の宮古島への移動はどうすればよいのでしょうか?

レンタカー

レンタカー派の人は、なんの心配もありません。空港の到着出口から出るとすぐ目の前に、レンタカー屋さんの窓口があります。空港で借りて、帰るときも空港で返せばいいので楽々です。

レンタルバイク

バイクのレンタルは、今のところ下地島空港周辺には無さそうです。一旦タクシーかバスで宮古島の市街地に移動してから借りるのがよいでしょう。お店によっては送迎をやっているところもあるので、直接お問い合わせください。

自転車

2019年7月から、空港内の受付にて電動アシスト自転車のレンタサイクル「TIDA BIKE」がスタートしています。しかし、現状は貸出・返却・充電ポートが下地島空港のみとなっており、1日単位での利用のため、これで宮古島まで行くのはさすがに厳しそう。空港周辺のスポットや集落エリアを細かく見て回りたい場合にはおすすめです。

タクシー

タクシーを利用する場合は、宮古島の市街地まで約25分で3500円くらい、とのこと。到着出口を出て左に少し歩いたところにタクシー乗り場があります(時間帯によっては待機していないので、そのときは電話すればすぐ来てくれます)。

空港に近い伊良部島のタクシー会社:
開発タクシー(0980-78-3774)
日光タクシー(0980-78-3007)
新生タクシー(0980-78-3326)
伊良部信用タクシー(0980-78-3093)

貸切にして、下地島・伊良部島の観光名所をめぐってからホテルへ、みたいなプランも楽しそうですね。運転手さんにおすすめの場所やお店などを聞いたりもできそうです。

バス

バスは、宮古協栄バスの「みやこ下地空港リゾート線」と中央交通の「みやこ下地島エアポートライナー」という2種類のバスが運行しています。どちらも平良の市街地(宮古島の中心部)を経由して宮古島南側のリゾートなエリアまで行きますが、微妙に違いがあるので宿泊先に応じて選ぶとよいでしょう。「みやこ下地空港リゾート線」のほうが細かくいろんな停留所があり、「エアポートライナー」は主要拠点をピンポイントに繋ぐ感じ。

こちらは到着出口を出て左に歩いて、ターミナルビルの角を左に曲がったところにバス乗り場があります。

バスを利用する場合は時間に注意!

みやこ下地島エアポートライナー
黄色いバスが「みやこ下地島エアポートライナー」

バスを利用する場合の注意点としては、あくまで下地島空港の稼働のために作られた路線なので、飛行機の発着時間・曜日にあわせたものになっていること。飛行機各便の到着約30分後にバスが出発するような設定になっており、その他の時間帯は運行していません。

ピンクのバスが「みやこ下地空港リゾート線」

つまり、新しく快適な下地島空港をゆっくり見て回って、食べて、買い物して楽しみたい! という場合には、時間が足りない可能性があります。乗り遅れると次は無いので要注意。

伊良部島まで歩いて路線バスに乗るという手も?

下地島空港入り口ゲート

今回自分は帰りが宮古空港からのため、下地島空港をゆっくり見て回るなら到着時しかない、ということで、空港からのバスは諦めることにしました。また、宮古島ではレンタルバイクを利用する予定なので、レンタカーもなし。タクシーはちょっともったいない気もするし……

さてどうしよう……と思って調べたところ、下地島空港から歩いて隣の伊良部島の集落まで行けば、そこから宮古島市街地までの路線バス(共和バス)が出ていることを発見! 観光スポット一切関係なしの完全地元民向けローカルバス、しかも1日に複数本走っている。これは良さげ!

集落まで歩くなら、ついでに海(佐和田の浜)にも立ち寄れるし、伊良部そばの有名店「かめ」にも行ける! これだ! と思い、利用してみることにしたのでした。

しかしこれが……想像以上に遠かった!

去年自分は原付で下地島空港周辺をめぐったことがあり、その時の感覚で「わりと近くて徒歩でもなんとかなる距離」と考えていたのですが、実際は空港の出口までの道が目的方向とは思いっきり逆側に回り込んでいるため、直線距離よりもかなり遠回りになっているのでした。

しかもまさかの快晴で真夏の暑さ!

下地島空港から佐和田の浜へと向かう道
永遠の夏休み感…

空港でペットボトルの飲み物を買っておくんだった……! 自販機も何もない林の中の道をひたすら歩いて、歩いて、ようやく海が見えてきて……

佐和田の浜
佐和田の浜

佐和田の浜が目の前に現れました! 感動!!

結果的にこんな感動があるから、やっぱり歩いてきて良かった、と思えてしまうのがまた、旅の魔法ですね。

しばし風景と波音に浸ります。

佐和田の浜と伊良部そば「かめ」

なかよね橋
下地島と伊良部島をつなぐ「なかよね橋」

余裕があれば17エンドのほうにも行きたかったのですが、このまま飲み物を持たずに向かうのは危険だと判断し、大人しく集落を目指します。

なかよね橋を渡り、観光客に人気のピザ屋さんを通り過ぎ。

伊良部島のピザ屋さんBOTTA
右に見える建物がピザカフェ「BOTTA」

1年前にも見た景色。空港が稼働して賑やかに変わってしまっていたらどうしよう、などと心配していましたが、何も変わらぬ美しい静けさのままでした。

その時、佐和田の浜の北側に出る道沿いに自動販売機を発見!

佐和田の浜ふれあい広場への道
夏すぎる…

これで生きられる……。さんぴん茶を購入し、海のほうを見るとまたこんな景色で大感動。

佐和田の浜を北側から
広がる青…

歩いてきて良かった……!

佐和田の浜ふれあい広場

これはもう行くしかないということで、砂浜へ。靴を脱いで足だけ入水。

佐和田の浜はどこまでも遠浅で、穏やかすぎて波音もほとんどしない、静かな静かなビーチです。人もいなくて貸切状態。

波のない静かな佐和田の浜
あまりにも穏やか

無事にブルーチャージとさんぴん茶ージを完了したところで、なにやら急激に黒い雲が広がってきたので、急いで集落のほうへ向かいます。

押し寄せる雨雲!
押し寄せる雨雲! わかりやすい!

目的の「伊良部そば かめ」に着いたあたりで雨が降り始めました。南の島の天気の読めなさといったら!

伊良部そば かめ・外観
伊良部そば かめ

そんなわけで、念願のかめそばをいただきつつ雨宿り。自家製麺にあっさり鰹だし。ソーキと三枚肉とゆし豆腐と卵が乗って、見た目にも楽しい美味しさ。

伊良部島・かめそば
かめそば

古民家風のお店の雰囲気も最高でした。

路線バスに乗るはずが・・・!?

雨も上がり(すぐ止むのも南の島らしさ)、いよいよ路線バスの停留所へ。

ほとんど車も通らない、昔ながらの建物が並ぶ静かな集落を歩き、「スーパーみなみ前」で待機していると……

スーパーみなみ前
スーパーみなみ前バス停

ここでサプライズ発生!

なんと車で通りかかった地元の花屋さん夫婦が「平良まで行くけど乗っていく?」と声をかけてくれて、送ってもらえることに!

まじか。

途中、渡口の浜に寄ってくれたり、島の面白い話もいろいろ聞かせてくれたり。そしてホテルの前まで行って降ろしてくれて、本当に感謝感激。

こんなことが起きてしまうのが島旅なのですね。だから一人旅はやめられない。

というわけで、路線バスに乗ってみたレポートはまさかの延期! またいつかに持ち越しで。

追記:8月に念願の(?)路線バスで伊良部島から宮古島まで渡る体験を実行してきました。料金は640円くらい? だった記憶。小さなマイクロバスで畑に囲まれた道を抜けて、佐良浜集落の急坂をゆっくりと下って、登って、伊良部大橋を渡って……かなり楽しい体験でした。詳細はまた後日。

まとめ ~ 静かな贅沢はお早めに・・・

以上、成田からみやこ下地島空港へ行き、空港内と周辺を歩いてめぐったレポートでした。

とにかく、素晴らしい空港です。行けばわかります。空港周辺の下地島、伊良部島も含めて、海や夏や南の島が好きなら絶対に感動する場所です。

成田の早朝発は大変ですが、午前中に現地に到着できるので初日から宮古をしっかり楽しめるというメリットもあります。そして何より、着陸時に窓から見える海の色には他では得られない価値があります。

7月からは関西空港からのジェットスターと、国際線として香港エクスプレスも就航して、さらに便利になりました。

今後も路線と利用者は増えていくでしょうから、今の「空港にいるのは自分たちと1機だけ」という静かな贅沢感を味わいたい方はお早めにどうぞ。

宮古島旅行のレポートはまた別途まとめます。

どちら様も良い旅を。たんでぃがーたんでぃ!

Travel沖縄宮古島

2019/05/14 (更新:2019/09/11)

書いた人:

一人旅ときどきギターと太鼓。年々増していく時の流れの速さと記憶力の低下に危機を感じ、いろいろなことを記録しておくために書き始めました。元CDショップ店員。現在はIT系のエンジニア。寒さに弱すぎるため旅行先は基本的に南の島です。釣りたい魚はアカジンミーバイ。

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Junineblog「未知との遭遇の日々」は、好奇心を忘れず生きていくためにいろいろな場所へ行き、いろいろな音を聴き、いろいろなものを食べよう、というブログです。

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