【きけん】電源周波数の違う電子レンジを使い続けていたことが判明【引越し注意】
2020.07.12

熊本から横浜に引っ越す際に、冷蔵庫も洗濯機も処分してきたのですが、同じくらい古い年代物の電子レンジだけはなぜかそのまま持ってきてしまいました。
見た目がシンプルゆえにあまり古さを感じさせなかったのと、特に問題なく使えていたので「買い換えるほどではない」と考えたのでしょう。何より、引っ越しの準備でバタバタしていると、判断力が鈍ってよくわからない決定をしてしまうものなのです。
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スメルズ・ライク・バーニング・ラバー
無事に引っ越しが終わり、まだ台所用品も整っていない最初の数日間は、外食や冷凍食品に頼ることになります。
オーマイの冷凍パスタのペスカトーレ(便利なトレー入り)が安かったので買ってきて、まだ開けていない段ボール箱が積まれた部屋で、電子レンジをコンセントに繋いで温め開始!
引っ越し直後のこのような時間は、後々思い出してエモいものになるので貴重ですね。

電子レンジは聞き慣れた音で動き出し、トマトソースの香りが漂い始めます。
しかしそこで異変が!
レンジから、何かゴムが焼けるような臭いがする……?
引っ越し用の梱包材かテープがどこかに残っていたのだろうか? あるいは中を拭いた時に洗剤か何かが付いてしまったのか?
気になりつつも、特に煙などが出ている様子もなく、調理時間もせいぜい5分ほどなのですぐにスイッチも切れて、臭いは消えてしまいました。
ペスカトーレも問題なく温かく仕上がっています。
なのでその時は「いずれ使ってるうちに臭わなくなるか、原因がわかるだろう」と、特に深く追求することもありませんでした。
その後、台所用品も揃い、料理ができる環境が整ってからは、電子レンジを使う機会がそもそも少なくなり。
また、台湾のレトロな炊飯器「大同電鍋」を手に入れたことにより、これが冷凍食品の解凍・加熱調理にも使えるため、いよいよ電子レンジの出番は無くなり。
たまに、冷凍保存した肉を解凍する時などに久しぶりに使うと、やっぱりまだゴムが焼ける臭いが……でも仕上がりには何の問題もなく。
結局それほど気にすることもなく、使い続けていたわけです。
異臭騒ぎ
そんなこんなで半年が過ぎ、先日。あまりにも寒い日だったので、さすがに料理をするのが面倒になり、冷凍食品のお好み焼きを買って帰りました。
調理時間を見ると「6分」。さっそく電子レンジに入れて、タイマーを合わせて温め開始!
3~4分過ぎたあたりから、あのゴムが焼けるような臭いがこれまでにないほどのものすごい勢いで台所に広がり出します。まさに異臭騒ぎ。
さすがにこれはおかしい……やっぱりもう買い換えたほうがよさそうだ……どうして熊本で処分して来なかったのか……謎と不安と後悔がぐるぐると渦巻きます。
例によってお好み焼き自体は何の問題もなく出来上がったので、台所の換気をしつつテーブルにつき、ネットで手頃な電子レンジを調べ始めました。
ふむふむ、DAEWOOもアイリスオーヤマも安くてシンプルなレトロデザインで良い感じだな……
そして商品名を見たその時、あまりにも重大なことに気づくのでした。
西高東低
商品名の横に並んだ文字列「東日本 50Hz専用」……!
そうだった! 西日本と東日本では電気の周波数が異なるため、それぞれに対応した電化製品を選ばないといけない!
西日本は60Hz、東日本は50Hz。
子供の頃に学んで知っていたはずなのに、長年ずっと西日本の端っこのほうで暮らしていたら、もうそんなことすっかり忘れてしまっていました。
商用電源周波数 – Wikipedia
あわててうちの電子レンジを確認。裏側を見てみると……

完全に「60Hz」、つまり西日本専用の製品でした。
周波数の合わない電化製品を使うと、故障したり、性能が悪くなったり、場合によっては火事の原因になったりすることもあるとのこと。
このまま長時間使っていたら、いつか火を吹いて爆発していたかもしれないと思うと、あまりにも恐怖です。
ゴムが焼けるような臭いは、内部でどこかの部品が実際に焦げていたのかもしれませんね。おそろしいので開けませんが。
この電子レンジ、熊本地震の時に冷蔵庫の上から床に転落しても壊れることなく使えていたとても強い子なのですが、さすがにこうなるともう引退していただくしかありません。
学びと対策
というわけで、電源周波数が異なる電子レンジを使った場合、一応動作はするし食べ物を温めることもできますが、ゴムが焼ける臭いがして怖い! そして危険! ということを学びました。
西日本から東日本へ、もしくはその逆で、引っ越しをすることがある場合は要注意です。引っ越し先の地域の電源周波数をあらかじめ確認しておきましょう。全国転勤が多い人とかにはこんなの当たり前の話なのかもしれませんが……
詳しくは:
電源周波数地域(50Hz地域/60Hz地域)について | お知らせ:シャープ
引っ越しするんだけど電気の周波数は変わる?│でんきガイド│東京電力エナジーパートナー
また、電源周波数に関係なく使える電化製品も多い、というのがまたややこしくて、油断の原因になりますね。
一般に、テレビ、パソコン、インバータ内蔵のエアコンや照明、コタツなどの電熱機器、ACアダプターを使用する製品などは、周波数に関係なくどこでも使用できるとのこと。
冷蔵庫、扇風機、ドライヤーなどは、どちらの周波数でも使えますが、性能に違いが出るらしいです。
そして、圧倒的に注意が必要で周波数を間違うと危険なのが「電子レンジ」なのだそうです。
50Hz用を60Hzで使用すると、毎秒100回放射されるマイクロ波が120回に増えるため、食品が焦げたりする。逆に60Hz用を50Hzで使用すると、内部機器が過熱焼損し、たいへん危険である。出典:商用電源周波数 – Wikipedia
いやはやおそろしいおそろしい。
最近では両方の周波数に対応したインバーター式の電子レンジも販売されているようですので、不安な人は「ヘルツフリー」「全国対応」などと書かれたタイプの製品を選ぶとよいでしょう。
皆さまもお気をつけくださいませ。