【熊本】天草日帰り旅!「A列車で行こう」と「天草宝島ライン」で本渡までウニを食べに行く
2019.06.28
2018年のゴールデンウィーク、初日からあまりにも天気が良かったので天草(熊本県天草市)へ行ってきました。
天草といえば前回はタコを求めてバスで有明(天草北部の町)まで行ったのですが、今回は「ウニ」を求めて特急列車と船で、天草市の中心部である本渡(ほんど)まで行ってみることに。
熊本駅から出ているJR九州の三角行き観光特急「A列車で行こう」と、三角港からの天草行き高速船「天草宝島ライン」が提携しており、スムーズな接続で天草まで行けるようになっているのです。
バスの場合は淡々と進む2時間半のゆっくり旅ですが、特急と船なら乗り換えの楽しさもあり、旅行気分が大幅アップ! 快適さも爽快感もスピード感も段違い!
というわけで、とにかくA列車も船もウニも最高でしたので、乗り方や見どころ、その他天草の素晴らしさなどなどをまとめておきます。
Contents
旅するルート
熊本県外の方のために簡単に位置関係をご説明。
熊本駅(熊本市中心部)から天草方面へ直通で行ける公共交通機関は、基本的に快速バス「あまくさ号」のみ。JRでは天草市の手前の手前、宇城市(うきし)の三角(みすみ)駅までしか行くことができません。
しかし、三角駅の目の前は三角港。そこから天草行きの船が出ており、それが「天草宝島ライン」。三角港から松島を経由して本渡港までの区間を運航しています。
天草のリゾートマーケット リゾラテラス天草|公式サイト
天草松島発 イルカウォッチング|シークルーズ 公式サイト
熊本駅から三角駅までの区間を土日限定で運行しているのが、2011年に誕生した観光特急列車「A列車で行こう」。「A」は天草のイニシャルということで、完全に天草行きの観光促進を狙ったものになっています。これにあわせて三角駅の外装もリニューアルされ、天草宝島ラインの時間もA列車との接続に対応したとのこと(平日は鈍行列車のみなので船の時間も若干異なります)。
そんなわけで、特急と船はあくまで観光旅行者向け。熊本市内に住む人が天草に仕事や遊びで行くとなると、基本は自家用車かバスで、ということになります。値段もバスで行くのが最も安いのですが、せっかくの休日なので旅行気分を味わうべく「A列車×宝島ライン」を体験してみましょう。
「A列車で行こう」は全席指定!まずは予約!
「A列車で行こう」は2両編成で座席数は84席。すべて指定席なので、事前の予約が必須です。土日限定で、しかも1日に3往復しか運行していないため、時期によっては満席になることも。
実際自分も今回、当初10時35分発の1号で朝から行くつもりが満席で取れず、仕方なく12時23分発の3号に変更したのでした。
No. | 熊本駅発 | No. | 三角駅発 |
---|---|---|---|
1号 | 10:35発~11:12三角駅着 | 2号 | 11:20発~11:57熊本駅着 |
3号 | 12:23発~13:03三角駅着 | 4号 | 13:50発~14:31熊本駅着 |
5号 | 14:37発~15:15三角駅着 | 6号 | 16:19発~17:01熊本駅着 |
※2018年4月30日時点の情報です。
予約はネットで! バーカウンターのある1号車、海が見える窓側D席がおすすめ
予約はインターネットから可能です。空席状況もわかるので駅に直接買いに行くより早めのネット予約が安心。券売機で発券できるので窓口の行列に並ぶ必要もありません。
また、車両の内装も1号車と2号車で異なり、1号車のほうがバーカウンターやソファーなどがあって楽しいので、もし取れるなら1号車がおすすめ。
さらに、宇土から三角までの区間は海が見えて景色も最高! ということで、海側(三角行きの場合は進行方向に向かって右)の窓側座席(D)が人気です。
料金は片道1,880円。
天草宝島ラインの予約も忘れずに!
天草宝島ラインもそれほど大きな船ではないので、忘れずに予約しておきましょう。ゴールデンウィーク中などは満席になることもあるようです。
こちらもネットもしくは電話での予約が可能です。
TEL:0969-56-2458(8:30~17:30)
熊本駅「肥後よかモン市場」で昼食
当初は朝から天草に向かって本渡で昼食にするつもりでしたが、昼からに変更したので、ちょっと早めに熊本駅へ行き、2018年3月17日にオープンしたばかりの「肥後よかモン市場」で昼食を。
「肥後よかモン市場」、要は駅構内のショップとレストラン街が集まったエリアなのですが、入っているお店のセレクトがなかなかに素晴らしくて、時間つぶしにも食べ歩きにも最強のスポットになっています。新しいので当然どこも綺麗で、人も多くて活気があって……熊本新時代感。23時まで開いてるので飲み会にも使えます。
どこに入るか迷いましたが、これから海辺に向かうということで「地中海食堂そうせき」の「コノシロのペペロンチーノ」を注文。銀色のコノシロが眩しい!
A列車で行こう~御輿来海岸の美しい風景も楽しめる
いよいよ出発の時間。在来線ホームも3月17日に新しいホームに変わっています。
「A列車で行こう」という名前は、天草(Amakusa)の「A」と大人(Adult)の「A」に、ジャズの名曲のタイトル「A列車で行こう(Take the A Train)」をかけたネーミング。ということで、客室内でもBGMにジャズが流れています。
また、バーカウンターでは熊本名物のデコポン(夏みかんのような柑橘の一種)を使ったデコポンハイボールを注文することができます。
飲もうかとも思いましたが、三角駅までの乗車時間は40分程度なので、おとなしく座席で景色を楽しむことに。
途中の停車駅は宇土駅のみ。宇土駅を過ぎると右手に有明海が広がります。潮の満ち引きによって遠浅の干潟に美しい波状の模様ができることで有名な御輿来海岸(おこしきかいがん)に近づくと、列車が低速走行になり、ゆっくり景色を楽しめるという仕掛けあり。さすが観光列車!
ちょうどいい感じに潮が引いており、干潟の模様がしっかり見られました。
三角駅と「海のピラミッド」
三角駅に到着! A列車の就航に合わせて改装されたという三角駅は、レトロな南蛮文化風の建物です。以前は屋根が青色だった記憶。
駅を出ると正面に見えるのが「海のピラミッド」。巻き貝をイメージした白い円錐状の建物で、三角港のシンボルとなっています。昔は中がクラブみたいになってて音楽イベントなどが行われていましたが、現在は待合所として使われています。
外側の螺旋状のスロープで上まで登ることも可能。
船の時間まで20分ほどあったので、久しぶりに登ってみました。結構高くて眺めが良いです。
海を見ていると、これから乗船する天草宝島ラインの船が三角港へとやって来るのが見えたので、地上へと降りて桟橋へと向かいます。
天草宝島ライン「ビスタボニータ号」に乗船
今回乗る船は「ビスタボニータ号」というクルーザー。この他にもデザインの違う船がいくつかあるようです。ビスタボニータ号は最も定員が多く乗れるタイプだそう。
乗船口にて料金を支払い、船上へ。
船の前方がエアコンの入った客室、後方にベンチが並んだデッキという造りになっています。デッキもベンチも木が使われておりリゾート感あるデザイン。景色と爽快感重視なので当然デッキのほうに座ります。
いざ出港! これが想像以上に速い! ものすごい勢いで水しぶきを上げながら三角港を出発しました。
ちょっと油断すると手に持っているiPhoneが飛ばされそうなくらいの風を受けて進んでいきます。気持ちよすぎ。
景色も空も最高すぎるので、ベンチに座っているどころではなく、デッキの一番後ろの屋根がないところでひたすら風と日光を浴びます。
そして……船内放送でいきなり爆音で流れ出すジャズ! A列車と連携しているので船でもジャズが流れるわけですね。個人的にはせっかく海の上なのでニューヨークっぽいスウィングよりウエストコーストっぽい爽やかなジャズを流して欲しいところですが、ともかくエンジン音に負けない音量でいきなり流れ出すのがちょっと面白いです。
また、要所要所で通過する島や橋の説明のアナウンスが入り、観光旅行気分が高まります。今どのへんにいるかがわかって楽しい。
松島に到着。松島港はトロピカル感あふれる木の桟橋がいい感じです。
小さい島々と橋が多数あった松島エリアを抜けると、視界が一気に開けてどこまでも海!
通称「談合島」、また「猫の島」としても有名な湯島が見えたり。
去年の夏に訪れたリップルランド~四郎ヶ浜ビーチを海のほうから眺めたり。
そしていよいよ本渡港へ。港の近くの海では多くの人たちが潮干狩りをしていました。
三角港から本渡まで、約60分間のクルージング。楽しかった!
天草瀬戸大橋を渡って本渡温泉センターへ
今回の旅の最終目的は「ウニ」なのですが、行きたいお店の開店時間まで2時間ほどあるので、まずは温泉へ。
事前にチェックしておいた「本渡温泉センター」が歩いていける距離にあるはずなので、そこを目指します。
船が到着した本渡港があるのは天草下島。本渡温泉センターがあるのは天草上島。上島に行くためには、天草瀬戸大橋という橋を渡らねばなりません。
この天草瀬戸大橋というのが……想像以上にデカくて高かった!
一応、片側のみ歩道があるのですが、橋全体がゆるやかなアーチ状になっており、下を船が通過するためにやたらと高くなっているのです。
高所恐怖症にとってはかなりスリリングな上に、純粋に坂道がきついという、なかなかの過酷さ。全長700メートル。
なんとか無事に通過しましたが、自分以外に歩行者は誰もいませんでした。
で、後から調べたら少し離れたところに歩行者用の小さな低い橋があったという……。川の水門みたいに見えてたのであれは一体なんだろうと思ってたら、まさか橋だったとは。
上島に降り立ち、再び海のほうへしばらく歩くと、JAの物産館的な建物が見えてきて、その隣に本渡温泉センターがあります。
大浴槽とサウナと水風呂のみで全然広くもなく、地元の人向けの小さな銭湯といった感じでしたが、海側が全面ガラス窓になっていて海が見渡せる! 地元の人にとっては当たり前の風景なのでしょうが、個人的にはもう天草の海が見えるというだけでポイント5倍です。
温泉の湯は、山鹿温泉を思い出す感じのとろとろぬるぬる系でした。サウナも人が少なくて快適。
湯上がりの休憩室の畳の部屋が広くてゆっくりできるのもいい感じでした。
苓州屋の天草うに蕎麦!
再び天草瀬戸大橋を越えて下島へ。いよいよ目的のウニを求めて、苓州屋(れいしゅうや)という蕎麦屋さんを目指します。
ウニのためになぜ蕎麦屋? と思う人もいるかもしれませんね。なんと苓州屋さんには蕎麦の上に天草の生ウニを贅沢に……贅沢に盛った……「天草うに蕎麦」というメニューが存在するのです!
天草の観光協会では3月から5月にかけて「天草生うに三昧」というキャンペーンをやっているほどウニを推しており、特にこの時期の天草の「ムラサキウニ」は絶品だそうで。
また、苓州屋さんは蕎麦も天草産の蕎麦を使っており、その他の食材も地元のものにこだわっているとのことで、まさに「天草の味」を楽しめる店! 本渡に来たならここ行くしかない!
ということで、詳しくはまた別途まとめたいと思いますが、念願の「天草うに蕎麦」、完全に最高でした。
最初はウニだけをすくって、天然塩をかけていただくという……もう凄かった! 目が覚める感じと言いましょうか。爽やかに溶けるような。
昔ながらの日本の民家を使った店内の雰囲気も最高で、至福の夕べという感じでした。
帰りは最終バスで海沿いの道をナイトドライブ
食べて飲んで、気づけば日も暮れて、帰りの時間。
苓州屋は最初に船が到着した本渡港の近くですが、船はもうありません。ということで、帰りは快速バス「あまくさ号」でゆっくり熊本駅まで。
本渡バスセンターから熊本駅・熊本交通センター行きの最終便は19:00。これを過ぎると天草に泊まるしかなくなるので要注意です。
帰りも当然、景色を楽しむなら海側に座りましょう。進行方向に向かって左側です。
すっかり暗くなりましたが、バスの中から適当に窓の外を写すだけでこんな写真が撮れる天草は本当に良いところ。
ゴールデンウィーク初日とは思えないほど乗客は少なく、ほとんど貸切状態で約2時間半。21時23分に熊本駅へと到着しました。
旅のまとめ
連休初日の日帰り天草旅行、期待以上に楽しめて大満足です。
昼過ぎに熊本駅を出発して、戻ってきたのが21時半なので、朝から新幹線を利用すれば福岡からでも十分実現可能なプランになります。
なんといってもやっぱり船が最高に気持ちよくて楽しいので、初夏~夏に天草行くなら絶対におすすめ!
離島などに住んでいる人を除けば、日常的に船に乗る機会ってなかなかないですからね。しかも高速のクルーザーなんて。
本渡からの帰りの船の最終が14:50なので、本渡でゆっくり過ごすなら帰りはどうしてもバスになってしまいますが、大抵帰る頃にはすっかり疲れてしまっているはずなので、ただずっと座ってるだけで帰り着くバスが意外と正解かもしれません。
所要時間と料金は以下のとおり。
交通 | 区間 | 所要時間 | 料金 |
---|---|---|---|
A列車で行こう(JR特急) | 熊本駅→三角駅 | 約40分 | ¥1,880 |
天草宝島ライン(船) | 三角港→本渡 | 約1時間 | ¥2,200 |
快速あまくさ号(バス) | 本渡バスセンター→熊本駅 | 約2時間半 | ¥2,240 |
トータル6,320円! A列車を使わず鈍行で熊本駅から三角駅まで行く場合は約55分で740円になります。また、行き帰りともに天草宝島ラインを利用する場合は往復で買うと片道2,000円になります。JR普通乗車券と天草宝島ライン乗船券がセットになった「天草・熊本2枚きっぷ」というのも出ているようです。スケジュールと予算にあわせていろいろ計画してみて下さいな。
以上、「A列車で行こう」と「天草宝島ライン」で行く天草日帰り旅行【ウニ編】でした!
【熊本】天草リップルランドに海とタコを求めて日帰りバス旅行