西表島に無計画な日帰り旅 ~ レンタカー3時間で行けるところまで…
2023.05.03

2018年秋の八重山旅行、3日目は西表島(いりおもてじま)へ行ってきました。
西表島は石垣島から西に約30kmのところにある、八重山諸島の中でもっとも面積の大きな島。島の大部分が亜熱帯のジャングルに覆われた、未開の大自然が残る島として知られています。
西表島への旅行といえばマングローブの森の中の川をカヌーで渡ったり、ジャングルの奥地に滝を見に行ったりするツアーが人気です。しかしその日は台風が近づいていたこともあり、ツアーの多くが利用する島の北側・上原港行きの船は全て欠航。
一方で島の南側にある大原港行きは運航していたので、例によって何も決めずにとりあえず向かってみることにしました。
Contents
石垣港離島ターミナルから高速船で西表島の大原港へ
海はさすがに少々荒れ模様で、勢いよく飛ばす高速船が上がったり下がったりよく揺れる……!

約1時間で西表島・大原港に到着! さっきまでの荒波が嘘のような良い天気です。

西表島の暑さは他の八重山の島々の中でも別格と聞いていましたが、たしかになんとなく湿度が高め。

あらゆるところにイリオモテヤマネコのマークやイラストがあります。

ひとまず港の観光案内所にある「ショップじゅごん」で西表島の黒糖ソフトクリーム。

ほどなくしてレンタカー屋さんが到着(予約はしておらず現地で電話しました)。帰りの船まで持ち時間は約3時間! さあどうしよう?
ということで、レンタカー屋のオジィにも相談した結果、由布島(ゆぶじま)で水牛車を眺めてから、島の北側にある美しいビーチ「星砂の浜」まで行ってすぐに戻ってくればおそらく間に合うはず、というプランに決定! さっそく出発です。
旅行前に予習した情報によると、西表島ならではの料理といえばイノシシ! とのことだったので、イノシシ料理が食べたいと思っていたのですが、そんな時間はありません。
こんな時に頼りになるのはスーパーマーケット!
大原港からすぐ近くに「玉盛スーパー」なるお店を発見したのでここで食料を調達することに。
玉盛スーパーで昼食を……

島ならではのレアなローカルフードが揃っているかと期待しましたが、いたってスタンダードな品揃えの正統派スーパーマーケットでした。
しかし油断は禁物……車に戻ると同行者の一人がしっかり謎の食品を手に入れているではありませんか!

餅の周りに大量の小豆を散りばめたような……料理? 和菓子?
おはぎや豆大福のような甘い食べ物かと思いきや、食べてみると全く……全く味がない!? かすかな塩味と妙な粘り気……これはヤバいものを買ってしまったようです。
調べてみるとどうやらこれは「ふちゃぎ(吹上餅)」と呼ばれる沖縄の伝統料理で、旧暦の8月15日(十五夜)の日にお供えして食べる縁起物なのだそう。
奇しくもこの日は9月25日で、旧暦だと8月16日……十五夜の翌日! ということはつまり売れ残りか! それで半額シールが付いてたわけか! なるほど納得。
とりあえず貴重な体験にはなりました。興味がある人は機会があれば是非……と言いたいところですが、正直わりと食べるのつらい感じのやつです。
由布島で海を渡る水牛車を眺める
気を取り直して由布島を目指し前進!
途中、マングローブが生い茂る川があったので、カヌーに乗った気分を味わうために一時停止。

前良川(まいらがわ)という川でした。
そこから10分ほどで由布島(の対岸)に到着!
由布島といえば、西表島から浅い海の上を水牛車が渡ってゆく風景で有名です。駐車場に車を停めて、海の方へと歩いていくと……
いた!

しみじみと旅情あふれる……その一方で、さすがは観光名所だけあって人も多く、次から次へと何台もの水牛車が忙しそうに海を往復していました。

渡った先の由布島は島全体がトロピカルな植物園になっており、レストランなどもあるそうです。
しかし我々には優雅に海を渡っている時間はありません。ここから一気に海沿いの道を北上し、星砂の浜を目指します。
イリオモテヤマネコ(の銅像)を発見!
天気は次第に曇ってきて熱帯らしい雨が降ったり止んだり。島の北側に出ると風もかなり激しく吹き荒れています。そりゃ船も欠航になるわという感じ。
台風は南からやって来ますが、西表島は北側のほうが風が強くなりやすく、秋冬は特に上原港行きの船は欠航になることが多いそうです。
船浦湾を挟んで島の東側と西側を一直線に繋ぐ「船浦海中道路」の入り口には、神々しく輝くイリオモテヤマネコの銅像が。

マングローブに囲まれ干潟になった湾の向こうにはジャングルに覆われた壮大な山々……あとで知ったのですがここから「ピナイサーラの滝」という美しい滝が見えるらしい。写真をよーく確認してみると……

これかー!
もっとしっかり鑑賞しておけば良かった。何事も予習は大事ですね。
船浦海中道路を渡ると上原港周辺の集落エリアに入ります。そこから少しで目的地の「星砂の浜」に到着。
圧倒的な透明感のビーチ! 星砂の浜

星砂の浜の周辺にはペンションなどもあり、リゾート感あふれる雰囲気が漂っています。
駐車場に車を停めて、トロピカルな植物に囲まれた小道を海のほうへと歩いて下っていくと、白い砂浜と眩しいエメラルド色の海が目の前に!

ちょうど良いタイミングで空も晴れて素晴らしい景色! ビーチのすぐ近くの岩場でもサンゴや熱帯魚が見られるとのことで、シュノーケリングをしている人たちもいました。
しかし沖のほうを見ると高い波が荒れに荒れています。おそろし。

ビーチへと降りる手前にはレストランがあり、ここのテラスから見下ろす風景も最強らしいですが、我々にはもう時間が残されていません。速やかに大原港へと戻ります。
帰りは途中からふたたび雨に。降ったり止んだりが本当に激しい……当初はレンタルバイクも楽しそうーなどと考えていたのですが、レンタカーで正解でした。
無事に船の時間の30分ほど前に港に到着!
大原港に戻る際の注意点として、道路の案内板などでは大原港ではなく「仲間港」という表示になっていること。実は仲間港のほうが正式名称で、「大原」は周辺集落の名前に由来する通称なのだそうです。
船の時間まで土産物屋で西表島らしいお土産をチェック。リアルな山猫がプリントされた「西表山猫チョコチップちんすこう」を購入しました。島内2箇所でしか売ってないそうです。

旅のまとめ
そんなわけで、何の予定も決めずに西表島に行ってみるとどうなるか企画でしたが、さすがに3時間だと慌ただしい……楽しかったけど! マングローブの川も由布島も星砂の浜も素晴らしかったとは言え、西表島の見どころはまだまだきっとこの20倍くらいあるに違いありません。
なんと言っても西表島は沖縄の中でも本島の次に大きな島。石垣島や宮古島よりも広いくらいなので、本当はやっぱり宿泊で来るのが正しいのでしょう。
ツアーアクティビティの定番であるカヌーやカヤック、トレッキングに滝めぐりも、西表島には複数の大きな川と滝があるので、行き先もコースも様々。主要な見どころだけでも全制覇するためには、何度も通うか長期滞在するしかないわけですね。おそるべき魅力の深み!
また、ビーチも定番から穴場まで、自然のままの美しい砂浜が各所にあり、ビーチ好きの人はハシゴして回るのも楽しそうです。
路線バスも走っており、1日乗り放題きっぷなどもあるらしいので時間に余裕があればゆっくりバスの旅も可能。一人旅などには良さそうですね。
ということで、これはもう再訪するしかない感じ。次はもっと天気が安定している時期に訪れたい……。
日帰りで西表島に行く時に押さえておくべきポイント

ツアーを使わず自力で西表島の日帰りプランを組む場合、押さえておくべきチェックポイントは、以下のとおり。
- ・石垣島(石垣港離島ターミナル)から西表島に行く船は、上原港(島の北側)行きと大原港(南側)行きの2種類がある。
- ・石垣港からの時間は、上原港までが約40〜45分、大原港までが約35〜40分。
- ・観光スポットが集まっておりツアーの拠点になることが多いのは上原港。
- ・上原港行きは欠航になることが多い(特に秋冬)。
- ・大原港から上原港までは車で約50分。
- ・由布島は水牛車で渡って観光して戻ってくるなら2時間くらいは必要(レンタカー屋さん曰く)。
以上を押さえておけば、わりと柔軟にプランが組めるのではないでしょうか。結局は時間が全てなので、早起きして朝早くから行けばいろいろと楽しめるはず。
大原港からも、予約無しで乗れる仲間川のマングローブクルーズの船が出ていたりするので、時間が合えば予定に組み込むのも良さげです。
どちらさまも良い旅を!