冬の沖縄旅行 ~ 那覇の日常を歩いてめぐった3日間【レンタカー不要】

冬の沖縄に行ってきました。
観たいライブと楽しそうなフェスが同じ週末に並んでいたのでタイミングを合わせる形で、金土日の3泊4日。
天気が良ければ初日はどこか離島に行って一泊することを考えていたのですが、週間予報はずっと曇り〜雨。雨だったら那覇市内で過ごそうと思っていたので、金曜の宿は取らぬまま迎えた当日。結局やっぱり曇りだったので、あわてて那覇市内で2,300円で泊まれる旅館を予約したのでした。空いててよかった。
というわけで、冬の曇り空の那覇市内で3日間。レンタカーもレンタルバイクも借りず、スタンダードな観光旅行ではあまり行く機会がないようなエリアをひたすら徒歩でめぐってみたら、なかなかに楽しかったので振り返ります。
Contents
冬の曇り空の沖縄へ

金曜日の昼前に那覇空港に到着。
まずは昼食ですが、今日は平日……ということは、土日は観光客が押し寄せて大行列になるような人気店にも並ばずに入れるかもしれない……! と思い、首里城近くの沖縄そばの有名店「首里そば」へ行ってみることに。

ゆいレールで首里に行くのは4年ぶり。首里城周辺はかなり海抜が高いので車窓からの景色も良いです。
「首里そば」で昼食を

首里駅から首里城へと向かう道の途中で左折して少し入ったところに首里そばはあります。
期待通り、待ち時間なしでカウンター席に座れました。それでもお客さんは次々と入れ替わり、テーブル席は常に満席。さすがの人気店です。
首里そば(沖縄そば)と煮付けをいただきました。朝5時起きで寝不足の体に優しく染みる、あっさりすっきり上品な味の沖縄そばです。

紅生姜ではなく細切りの生の生姜が乗っています。
煮付けはおでんのような料理。これが激うま。多幸感あふれる温かさ。
せっかく首里まで来たので首里城も……と行きたいところですが、既に2回来たことがあるので今回はスルー。城壁の外側の道をぐるっと反対側まで回り、金城町の石畳道を見に行くことにしました。
金城町石畳道を歩く

金城町石畳道(きんじょうちょういしだたみみち)は、15〜16世紀に造られたという歴史ある石畳の道です。もともとは首里城から島の南部のほうまで続いていたそうですが、戦争によって破損し、現在は約300メートルの坂道が残っています。
ゴツゴツした琉球石灰岩の石畳で、傾斜もかなりあるため、歩くだけでもわりと体力を使います。運動靴推奨。夏場はつらそう。
坂道の周辺には、パワースポットとして知られるアカギの巨木や、歴史ある井戸の跡などが点在しているので時間に余裕があるなら寄り道しましょう。
また坂の中間地点には古民家を利用した休憩所「首里金城村屋」があります(トイレあり)。

外国人親子が先客でくつろいでいたので眺めただけ。

坂道の下まで降りてきました。本来はこちらが入り口のようです。
首里から国際通りまで歩く
さてこれからどうしよう。首里駅まで戻るには、またこの坂道を登って逆戻りせねばならず、それはちょっと楽しみに欠ける……ということでGoogleマップを眺めてみると、意外と国際通りのあたりまで徒歩で行けそうな気がしてきたので、とりあえず歩いてみることに。
ただただ普通に「道路!」という感じだったので特に見るものもなく、ひたすら歩いていたら30分ほどで国際通りに到着。ゆいレールだと県庁前から首里まで8駅くらいあるのでかなり遠いイメージでしたが意外と近いのね。

A&Wで休憩してこの後の予定を考えます。那覇へ来るたびにその名を耳にするけどこれまで一度も足を踏み入れたことのない場所……そうだ、奥武山公園に行こう!
奥武山公園を歩く

那覇空港から国際通り周辺までゆいレールを利用したことのある旅行者なら誰もが聞いたことのある駅名でおなじみ、奥武山公園(おうのやまこうえん)。
新しくなったバスターミナルを眺めてから、川沿いの壺川駅のほうへ。ゆいレールやレンタカーの窓から何度も見たことのある風景が、徒歩だと妙に新鮮です。
壺川駅の横の北明治橋という橋を渡ると奥武山公園。広々とした運動公園という雰囲気で、ジョギングコースがあったり、陸上部っぽい小学生集団がコーチに怒鳴られながら走ってたり、猫が無防備に寝ていたり。

晴れた日の朝の散歩などに良さげです。
何やら小高い山へと続く石段があったので昇ってみると、頂上には沖宮(おきのぐう)という神社がありました。

さすがに歩き疲れてきたのでそろそろ宿へ。しかし今日泊まる宿はシャワーのみだったはず……温泉に入りたい……そうだ、りっかりっか湯に行こう!
天然温泉「りっかりっか湯」

国際通りから歩いてすぐのところに、りっかりっか湯という温泉施設があるのです。雰囲気は普通の銭湯で、泡風呂やサウナもあり。沖縄感やリゾート感はゼロですが、那覇中心部で手軽に利用できる温泉は貴重! 料金も観光地価格で設備のわりに高めな印象ですが、まあ仕方ないということで。ゆっくりしましょう。
宿にチェックインして夕食に出て、その後は泡盛の魔力で記憶が闇なので省略……。
松山公園を歩く
2日目もやっぱり曇り空。路線バスで遠出をしようかとも考えていましたが、魔力が若干残っていたので大人しく那覇で過ごします。
今日からのホテルが松山〜若狭のあたり(那覇市の西海岸沿いのエリアで飲食店や歓楽街などが集まっているところ)なので、チェックイン時間までその周辺で過ごすことにしました。
広くて静かな松山公園を散歩。

落ち着く良い公園です。
福州園で中華な癒やしの時間を過ごす
松山公園と通りを挟んで向かいにあるのが福州園(ふくしゅうえん)。毎回前を通るたびにその中華な外観が気になっていましたが、ついに中へ入ってみることに。入場料は、何と200円! 安い!

福州園は、那覇市政70周年と那覇市と中国福建省福州市との古くからの友好を記念し、1992年に作られた中国式の庭園。
福州園がある那覇市の久米(くめ)エリアは、琉球王国時代に中国大陸からの移民が多く住んだ地域で、福州市との交易の拠点となっていたのだそうです。

庭園は想像以上に広くて、池と滝と様々な中国式の建物があり、部分ごとに季節を象徴した風景になっています。意外と面白い……そして何より人が少ない……! かなり安らげます。水音を背景に優雅な中華メロディーがさりげなく流れているのも楽しい。
庭園一帯を見渡せる展望台みたいなところも二箇所あり、ただぼーっと景色を眺めていると、やがてここが沖縄なのかどうかもよくわからなくなってきます。
日常から切り離された感じの癒し空間でした。一人で来るのがおすすめです。
波の上ビーチで休憩

続いていよいよ海辺へ。波の上ビーチ。那覇市内では唯一の海水浴場です。
ここも落ち着く場所。座って本を読んでいる人も多く見かけました。良い日常感。
この波の上ビーチしかり、宮古島のパイナガマビーチしかり、市街地のすぐそばにあるビーチには独特の「生活の一部」っぽい魅力があって、それがとても素敵。

気づけば昼過ぎで、そろそろホテルのチェックイン時間。その前に、昼食です。
「亀かめそば」で昼食
例によって今日も沖縄そば屋へ。波の上ビーチから歩いてすぐの有名店「亀かめそば」に行ってみました。
定番の軟骨そば(がんじゅうそば/軟骨ソーキそば)を注文。
亀かめそばの特徴は何と言ってもフーチバーを好きなだけ入れられること。フーチバーとは沖縄のヨモギで、じゅーしーに入れたり、山羊汁に入れたり、沖縄料理には欠かせない食材のひとつ。カゴに盛られたフーチバーとともにカウンター席へ。

小サイズで普通の一人前くらいという情報を見たので小にしましたが、本当にその通りでした。
しっかり味の強いスープで、フーチバーの香りがよく合います。昨日食べた首里そばとは対照的。
乗っている軟骨ソーキも大きくて、軟骨もかなりの歯ごたえ。店によってはトロットロに煮込んであることもありますが、ここのはコリッコリです。
あらためて沖縄そばはお店によって色々で、食べ比べが面白い……!
ホテルにチェックインしてシャワーを浴びて、しばし休憩。
桜坂セントラルでライブを観る

その日の夜は桜坂のライブハウス「桜坂セントラル」にて行われた虹のコンキスタドールのライブ(全国ツアー沖縄公演)を観に行きました。それはそれは楽しかった。曲もパフォーマンスも基本とにかく元気で明るいグループなので、旅の疲れも全回復です。
ツアーグッズの缶バッジはメンバーがデザインとイラストを手掛けており、各会場のご当地にちなんだものになっていて……シーサー入り! こういうの良いね。

観たいライブにあわせて沖縄旅行するのも楽しい旅のかたち。
ホテルまで結構距離があるので、夕食はどうしたものかと悩み。恒例の「地元のスーパーで沖縄ならではの惣菜を買ってホテルで食べる」をやろうと思いましたが、帰り道の途中に前々から気になっていた食堂があることに気づき、そこへ寄ってみることにしました。
三笠食堂で沖縄の「ちゃんぽん」を

その名は「お食事処 三笠(みかさ)」、通称「三笠食堂」。那覇市民に愛される24時間営業(!)の食堂……的な噂をかねてから耳にしており、いつか行かねばと思っていたのです。
入ってみるとさすがの賑わいで、「20分くらいかかりますけどいいですか?」とお店の人。全然OKです。
部活帰りっぽいジャージ集団、社員旅行中っぽいグループ、親子連れ、おばーにおじー、客層も様々。
ということで、ゆっくり待って出てきたのはこちら! その名は「ちゃんぽん」!

そう、沖縄のちゃんぽんは麺ではなくご飯。炒飯に卵とじが乗ったような料理なのです。
味も見たまんま。日常が香る家庭の味……という感じでどこか懐かしい美味しさ。生きる力が湧いてきます。
満足満足。
コンビニでブルーシールのポーラベアー期間限定ベルギーショコラver.を買ってホテルへと戻りました。

泊港の周辺を散歩

3日目。安定の曇り空。
ホテルは朝食なしのプランなので、食を求めて10時頃に外へ。しかし周辺はどこのお店も大体11時以降からのようで、仕方ないので泊港(とまりこう)のあたりを散歩。
沖縄本島周辺の離島に行く船はここから出ています。
近くにペリーが沖縄に上陸した記念碑があるとのことで見に行きました。

花壇に囲まれた静かな外国人墓地の隣にあります。
ここでふと、泊大橋(2つ前の泊港の写真で港の向こうに見えているアーチ状の橋です)を歩いて渡ったら面白いのではないかと思いつきましたが、近くまで行ってみると……完全に高所恐怖症には無理そうなやつでした。歩道橋と繋がってて上まで登れるようになってます。晴れていれば景色は良さそう。
と、その時、謎の店を発見!
「田舎」のソーキそば

オレンジ色の壁に「宮古そばとソーキそばの専門店」とだけ書かれており、店名は不明。そして店の前には「ソーキそばが390円です」という看板が。

ということで入ってみました。お店の名前は「田舎」……といえば牧志にもある人気店! どうやら系列店のようです。なるほど一安心。
当然その390円のソーキそばを注文。

スープはすっきり透明系。しっかり味の染みたソーキは軟骨とろとろ系。まさに好きな組み合わせ。気づけば3日連続沖縄そばです。
年をとると連日ラーメンとかはきつい……となりますが、沖縄そばは基本あっさり系なので毎日でも全然いけますね。
それにしても390円はお得。
そろそろ他のいろんなお店も開く時間なので、デザートを食べに行きましょう。
「千日」のアイスぜんざい
12月ですが、歩いていると普通に暑くなってくる……。
ということで、波の上ビーチ近くのかき氷が有名なお店「千日(せんにち)」にやって来ました。
アイスぜんざいを注文! こちら!

雪山!!!
沖縄の「ぜんざい」は基本かき氷です。千日のぜんざいは金時豆の甘煮の上にやわらかいかき氷が山のように盛られています。
かき氷でもガリガリしておらず水っぽくなく、いわゆるふわふわ系かき氷ともまた違う、独特の食感。ただただ美味い。夏の暑い日にはまた最高なのでしょうね。
店内は結構広い食堂のような感じで、丸テーブルがいくつも並んでいます。
かき氷がメインメニューの飲食店というのが本当に良い。たい焼きも美味しいらしいです。
波上宮に参拝

続いてそこから歩いてすぐの神社「波上宮(なみのうえぐう)」。来るのは3度目。個人的に日本で最もカッコいい神社の一つだと思っています。左右をビーチに挟まれた小高い崖の上に神社があるのです。

鮮やかな朱色の拝殿も美しい。

波の上フェスティバル
その日の午後は、波の上うみそら公園で開催された「波の上フェスティバル」へ。HIPHOP、レゲエ、ロック、DJからアイドルまで、いろいろ観て聴けて楽しかった! しかも一部エリアはCOZY BEACH CLUBというリゾート感満点の施設を使っているので、とにかく環境がトロピカルで快適……これで天気が良ければ完璧だったのに! 有料エリア内に座れる場所が充実してて、バーカウンターもあって、夜までずっと居ても疲れずに楽しめました。

ジョージレストランのタコライス
3日目の夜。結果的に日常系メニューを追う感じの3日間になりましたが、そういえば今回まだタコライスを食べていない……と思ったので、近くでタコライスが美味しい店を検索。
店の名前からアメリカンで素敵な「ジョージレストラン」に行ってみることに。

最近リニューアルしたとのことですが、店の雰囲気は完全に「古き良き時代の洋食レストラン」といった感じ。最高では。
完全に期待通りの美味いタコライスが出てきて大満足でした。

ライスの量、多いほうにしておけばよかった(200gと300gから選べます)。
帰りの朝
夜が明けて、帰りの朝。ホテルを出ると天気は雨。滞在中に降らなくてよかった。
県庁前駅まで歩き、ゆいレールで那覇空港へ。いつものようにA&Wで朝食を済ませて、出発。

ばいばーいおきなわ、またはーりぬちんだらよー。
旅のまとめ
今年は那覇から台湾行ったり宮古島行ったり石垣島の帰りに寄ったり、というパターンが続いていたので、那覇市内だけでずっと過ごすというのはとても久々でした。
大物定番スポットである首里城と国際通り&牧志公設市場を除くと、那覇市内の細かいスポットは観光ツアー系の旅行ではなかなかめぐる機会が少ないのではないかと思います。沖縄旅行といえばレンタカー必須なイメージもありますが、意外と徒歩とゆいレールだけで那覇をうろうろしてみるのもいろんな発見があって楽しいので、一人旅や少人数旅行に取り入れてみてはいかがでしょうか。是非お試しください。
次は晴れますように……!