Tsvia Abarbanel 「Eastern Soul」~70年代中東スピリチュアル・ジャジー・グルーヴ

Tsvia Abarbanel(シヴァ・アバルバネル)はイエメンに生まれイスラエルに移住して活動している女性シンガー。
彼女の貴重な70年代の音源が、テルアビブ出身のDJチームによるイスラエルの復刻音源レーベル Fortuna Records より、4曲入りのEP『Eastern Soul』として3月30日にリリースされました。
2013年に同じ Fortuna Records より「Soul of the East」というタイトルで2曲入りの7インチが発売されていましたが、現在は入手困難になっているとのこと。今回の『Eastern Soul』はその7インチに収録されていた2曲に、さらに2曲の未発表音源を追加したものです。
70年代という時代を感じさせる、ホーンとピアノを中心としたスピリチュアルかつ洗練されたジャズ・グルーヴに中東イエメンの伝統音楽の旋律と太鼓のリズム、そして独特の節回しのボーカルが溶け込んだ、それはそれは素晴らしい音楽。
Fortune Records 他にもいろいろと面白い作品をリリースしているようなのでチェックしてみたいと思います。
Fortuna Records – YouTube – YouTube
Fortuna Records のYouTubeチャンネルで公開されている74年のTVショーでの映像。本当に素晴らしい。
また、YouTubeにはTsvia Abarbanelのチャンネルもあり、音的におそらくより新しい時代の録音と思われる楽曲がいくつか公開されています。
最近の映像も探せば見つかります。表記がヘブライ語になっているものが多いので検索がなかなか大変。
『Eastern Soul』にも収録されている「Yahalel Hawa」の2013年のライブ映像です。
Taiko Life というイスラエルの和太鼓グループと共演した映像などもありました。
taikolife | English
アーティスト名のヘブライ語の綴りがわかったということで、AppleMusicで検索してみたら、「צביה בר(Tsvia Bar)」名義でのアルバムがいくつか出てきました。
こちらは完全に伝統音楽。
1993年のこちらはポップ寄りです。
レア音源の復刻リイシュー、特にこうした英語圏以外の国の古い作品だと「発掘」みたいな表現をされることも多く、良くも悪くもその音源だけが独り歩きして注目されてしまいがち(「レア」音源が「代表作」になってしまう的な)ですが、アーティスト自身は普通に他にもいろいろな作品を出していたり、現役で活動を続けていたりもするのですよね。
最近はネットやYouTube、ストリーミングのおかげで、このような情報も得やすくなってきており、良い時代になっているなと思います。