南城市を歩く (2) ~ 奥武島の天ぷらと「くんなとぅ」のもずくそば
2022.12.31

2019年の秋に沖縄県南城市を訪れたときの写真と思い出話(知念岬編の続き)です。
そろそろ昼食時ということで、天ぷらで有名な奥武島に行ってみることにしました。
「おでかけなんじぃ」で奥武島へ
奥武島(おうじま)は南城市の一番南側のエリアにある、沖縄本島と橋で繋がった小さな島です。南城市のハート型で言うとまさに下の尖った部分の横のあたり。
現在地の知念岬からは約10km離れており、さすがに徒歩は辛い……。交通手段を調べていると、南城市には「おでかけなんじぃ」という予約式の乗り合いバスがあることを発見! 乗り場と目的地を伝えて予約すれば、南城市内どこでも500円で乗せていってくれるらしい。これは良さげ!

ということで予約の電話。
初見の人は正しく読めないことで有名な「奥武島」、自分はちゃんと知っているぞと、自信満々に「おうじま」へ行きたいと伝えたところ……
電話口のおじぃ「はい、おくたけまでね〜」
(お、おくたけ!?)
……まさか間違って覚えていたのではないかと焦りましたが、実は奥武島がある地区の呼び名としては「奥武(おくたけ)」という読み方も普通に使われているのだそうです。島の入口にあるバス停も「おくたけ」なので、行き先は「おくたけまで」になるわけでした。難しい……けど面白い!
乗り場には南城市地域物産館を指定しました。場所の指定が完了すると、何時何分頃に来るかを教えてくれるので、その時間に乗り場で待っていればOK、というシステムです。バスとタクシーの中間みたいな感じですね。1時間ごとの運行になるので、予定がはっきりしている場合は早めに予約しておきましょう。
おでかけなんじい
時間まで、地域物産館の展示などを眺めて時間をつぶします。

無事に乗車していざ奥武島へ! 料金は前払い、乗客は自分一人だけでした。高齢者の日常的な利用が多いらしいので、休日のほうが意外と空いてるのかもしれませんね。

20分ほどで奥武島に到着しました。手軽で便利なシステムで、上手く使えばレンタカー無しの観光にもフル活用できそうです。おすすめ。ありがとうなんじぃ。
とりあえず天ぷら

まずは到着して目の前にある中本鮮魚店で天ぷらを購入。メニューが書かれた専用の注文用紙に個数を記入するシステムです。
魚ともずくとウムクジ(紅イモ)にしました。
店の横にちょっとした食事できるスペースもありますが、ここは橋の横に広がる奥武ビーチで食べるのが最高ですね。

続いてそこから海沿いの道をしばらく歩いて行きます。ちょっと空が曇ってきて海の色はいまいち。
次なる目的地が見えてきました。大城てんぷら屋。中本鮮魚店とともに奥武島の天ぷらと言えばここ! と言われる人気店です。

こちらも注文は用紙に記入する方式。魚とアーサを購入しました。

お店の周りに屋外テーブルや椅子が多数置いてあって、その場で天ぷらを食べることができます。最高にのどかな時間。
奥武島を歩いて一周
奥武島は周囲約1.7kmしかない小さな島で、海岸線に沿って一周道路が通っています。せっかくなので、歩いて一周してみることにしました。

島の東側までやって来ると、竜宮神という案内標識があります。海の方へと降りてみると、不思議な形の岩が立っていました。神聖な場所のようです。

そこから少し歩くと、漁港が見えてきます。実はこの辺にもう一軒、「テルちゃん天ぷら」という美味しい天ぷら屋があるらしいのですが、当時は存在を知らず……いつか再訪せねばなりません。

沖縄で港の近くに必ずいるのは……そう、猫ですね。奥武島は猫が多い島としても有名です。

港を過ぎるともう最初に到着した橋のところに戻ってきます。あっという間に一周してしまいました。気軽に回れる奥武島徒歩観光、いかがでしょうか。
さて、昼食に天ぷらだけではまだちょっと足りない……朝から歩き疲れた身体がソーキそばを求めている……。
というわけで、奥武島から徒歩で橋を渡って本島へと戻り、すぐ近くの海沿いにある「もずくそば」の店「くんなとぅ」に行ってみることにしました。
奥武島と沖縄本島を繋ぐ奥武橋は長さ100メートルほどなので、徒歩でも余裕です。

渡り終えて、橋の写真を撮っておこうとふと見ると、橋の上に子供たち5、6人が集まってわいわいやっています。
そういえば昔、何かで読んだことがありました。奥武島の子どもたちは橋から海に飛び込んで遊ぶ、と。もしかして……と思って見ていたら―――飛んだー!!
貴重なものが見れました。
もずくそばの店「くんなとぅ」

いざ、くんなとぅへ。人気店なので店内は大賑わい。屋外のテラス席もあるとのことで、屋外にしました。緑に囲まれた南国感あふれる造りのテラスに木のテーブルが並んでいます。

くんなとぅは「もずくそばの店」ということで、沖縄そばの麺にもずくが練り込まれており、生もずく、酢もずく、もずくゼリーが付いてきて、定食にするとさらにもずくじゅーしーにもずく天ぷらまで出てくるという、まさにもずく天国!
歩き疲れた身体がソーキを求めていたので、もずくソーキそば定食を注文しました。

しっかり味のスープにもずくの海の香り、ソーキも丸々として食べ応えあり。海と奥武島を眺めながらいただく、最高の昼食でした。
天気もすっかり曇ってきたのでそろそろ那覇へと戻ります。
バスを調べると、乗り換えなしでスムーズに帰るには、900mほど歩いたところにある中山というバス停から乗るのが良さそう。というわけで、ふたたび徒歩移動開始。

畑の間の小道をひたすら進んでいくと、例によってものすごい登り坂が出現! さらに石段も出現! 予想外に険しい道のり……
ようやく辿り着いた中山バス停は、海が見渡せるかなり景色の良い場所でした。

晴れてたらきっと最高でしょうね。
旅の終わり

無事にバスに乗り那覇へ。さすがに疲れたのでホテルにチェックインしてシャワーを浴びて一休み。
夕方からは、その当時運用がスタートしたばかりだった、ゆいレールの新しい終点「てだこ浦西」駅まで特に用もなく行ってみたり。
そしてその途中、小さい子供が窓の外を指差して「ママ見て首里城!」と叫んでるのを微笑ましく眺めたりしたのでしたが。
まさかその一週間後に、火災で焼けてしまうとは誰が想像したでしょうか……。忘れられない記憶になってしまった。
そんな色々なことがあった旅でした。
レンタカーを使わなくとも、タクシー、船、自転車、徒歩、乗合バス、路線バスを駆使してこれだけ回れる南城市の素晴らしさ。ぜひお試しください。











