Lio Canta Caymmi~リオがドリヴァル・カイミを歌う

Lio (feat. Jacques Duvall) – É doce morrer no mar (official music video)

Lio(リオ)の新作アルバム『Lio Canta Caymmi』が3月30日にリリースされています。

Lioといえば、あのLioです。バナナ・スプリットのLioです。

タイトルのとおり「リオがカイミを歌う」アルバムです。

Lioについて

Lioは1962年ポルトガル生まれのポップ歌手で、1968年にベルギーに移住し、10代でアイドルとしてデビュー。ベルギーとフランスを中心に活躍し、80年代に多くのヒットを生み出しました。

最もよく知られているのはやはり「バナナ・スプリット(Banana Split)」でしょう。1979年にリリースされたLioのデビュー曲で、200万枚の大ヒット。その後1995年にはベストアルバムのリリースにあわせてREMIXされ、日本のFMラジオでもヒットしました。私がLioを知ったのもそのREMIX版がきっかけで、さらに当時聴いていたカヒミ・カリィのラジオ番組で流れた「Zip A doo wah」を聴いて完全にファンになり、CDを集めるようになったのでした。

1980年にリリースされたLioのファーストアルバムは、ベルギーのジャズピアニストで当時テクノポップバンドTELEXでも活動していたマルク・ムーラン(Marc Moulin)と、同じくTELEXのダン・ラックスマン(Dan Lacksman)がプロデューサーとして全面的に関わっており、完全にオールディーズmeetsテクノポップなサウンドで統一されています。

90年代以降のLioは、カリブ海方面に向かったり、ジャック・プレヴェールのシャンソンに向かったり、フレンチラップのTekiLatexと共演したり、いろいろと幅広く自由な活動を続けています。

そして今回の「Lio Canta Caymmi」では、ブラジル音楽に向かいました。

Caymmiについて

Caymmi(カイミ)というのは、ブラジル・バイーア出身の偉大なシンガーソングライター、ドリヴァル・カイミ(Dorival Caymmi)のこと。ボサノヴァなどが生まれるよりも昔、1930年代から作曲家として活動していた人で、数多くの名曲を残しています。いかにも「海の男」的な詩情を感じさせる作風と、太く深い歌声が魅力。

ブラジル音楽好きなら誰でも知ってるのではないか、というレベルの曲をいくつも作っており、多くの歌手にカバーされ歌い継がれています。

そんなドリヴァル・カイミの名曲の数々を、Lioが歌う。

Lio Canta Caymmiについて

普段はフランス語で活動しているLioですが、ブラジルの言葉はポルトガル語。Lioはポルトガルの生まれなので歌詞もそのままポルトガル語で歌っています。Lioがポルトガル語で歌った作品を発表するのはこれが初めてのよう。

全体のアレンジもシンプルなギター伴奏が中心の落ち着いたくつろぎ系で、すっかり大人なLioでした。

ボサノヴァ路線というよりは、やはりどこかシャンソンでヨーロピアンな陰影と、エコーの効いた音が独自の色になっている感じ。リズムもブラジル度数は低め。まだそこまで暑くない初夏の夕方などに窓を開けて静かに聴きたいアルバムです。

そしてここでギターを弾いて(数曲ではボーカルも披露して)いるのが、ジャック・デュヴァル(Jacques Duvall)。何者かといえば、Lioの初期の多くのヒット曲の作詞を手がけていた人なのでした。あの「バナナ・スプリット」の作詞も、この人。

「バナナ・スプリット」にはいろいろと裏の意味が隠されていたりするわけですが、バナナといえばトロピカリア、カルメン・ミランダにカエターノ・ヴェローゾ、すなわちブラジルです。繋がりましたね(こじつけ)。

海辺に行きたくなります。

Musicレビュー

2018/04/05

書いた人:

旅と音楽。最近の時の流れの速さと記憶力の低下に危機を感じ、いろいろなことを記録しておくために書き始めました。元CD屋。ブラジル他ワールド音楽とジャズとKPOPを中心に何でも聴きます。普段はHTMLやCSSやSEOなどの人。時々ギターと太鼓。寒さに弱すぎるため旅先は基本的に南。釣りたい魚はグルクンです。

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