Itadi『Inye』~西アフリカ・トーゴの80年代ディスコ・ファンクが「いい~ね!」

2018.02.10

なんとなくジャケットに惹かれて再生ボタンを押す。

レコード~CDの時代であれば「ジャケ買い」と呼ばれていた音楽との出会い方が、ストリーミング時代にはより手軽に「ジャケストリーミング」で聴けてしまう。ドキドキ感は失われてしまいましたが、やはり便利すぎるので活用するしかありません。

というわけで、AppleMusicのニューリリース一覧から、どう見てもいい感じの音が入ってそうなこのジャケットを選んで聴いてみたら、大当たりのアフリカン・ディスコ・ファンクでした。

Coming From Africa! We gotta Message For You!

ItadiことItadi K. Bonneyは西アフリカのトーゴ共和国のアーティストで、『Inye』は1983年にリリースされたセカンドアルバム。
5人のバンドメンバーとともにセルフ・プロデュースでレコーディングされたものだそう。
それが今回、フランスの「AFRO-SOUL&TROPICAL FUNK」専門レーベル、HOT CASA RECORDSから復刻再発されたとのことで、ストリーミングでも配信がスタートしました。

1曲目「Inye」から熱帯感あふれる乾いたメロディと陽気なビートにレトロなシンセがうねうね絡む。
タイトルは「Inye(イニェ)」なのですが、繰り返されるこのフレーズがどうしても「イイ~ネ」に聞こえてきて、無条件で楽しい気分になれます。イイネ!

「Coming From Africa! We gotta Message For You!」「Africa is my home!」といったアフリカ賛歌的な力強いフレーズも印象的。
また5曲目の「Why?Why?」にはレゲエの影響も感じられます。

当時のトーゴにおいてはかなり政治色の強い内容だったため、このアルバムのリリース後、彼はアメリカに逃亡を余儀なくされたとのこと。

また1977年にリリースされた彼のファーストアルバム『Watch Your Life』も2013年に同じくHOT CASAより再発されており、こちらもストリーミング配信されています。
こっちもジャケット最高ですね。

Discogsで調べてみると、アメリカ移住後も4枚のアルバムをリリースしているようです。
1948年生まれで、残念なことに2013年に亡くなっているのだそう。
息子のTabi Bonneyは現在HIP HOPアーティストとして活動しているようです。

素晴らしい作品を遺してくれたことに感謝して、聴きましょう。いい~ね!

Musicレビュー

2017/12/10 (更新:2018/02/10)

書いた人:

旅と音楽。最近の時の流れの速さと記憶力の低下に危機を感じ、いろいろなことを記録しておくために書き始めました。元CD屋。ブラジル他ワールド音楽とジャズとKPOPを中心に何でも聴きます。普段はHTMLやCSSやSEOなどの人。時々ギターと太鼓。寒さに弱すぎるため旅先は基本的に南。釣りたい魚はグルクンです。

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