本格的なガパオライスを自宅で簡単に作れるようになる知識とレシピ

2018.09.17

ガパオライスが流行っていますね。

数年前まではタイ料理好き以外にはほとんど名前も知られていなかったように思いますが、ここ1、2年で大きく知名度を上げてエスニック料理の定番の一つになった感があります。それだけ広く日本人の口に合う味だったということでしょう。

しかしながら、先日「ガパオライスの作り方をタイ人シェフに聞く」みたいな記事を見かけまして、「実は簡単に作れる!」みたいな内容ではあったのですが、どうみても「オイスターソース」が写っているのに記事中ではあろうことか全て「ウスターソース」と書かれていたりと、根本的な部分で使えないものでした(シェフは悪くなくて、ライターに基礎知識とタイ料理へのリスペクトがなさ過ぎるのが問題)。

フレッ○ュネスバーガーだったかが「ガパオバーガー」を出したのはいいものの、「パクチー入れ放題」みたいな狂ったオプションが付いてて呆れたこともありました。

クッ○パッドなどで、ただの「ひき肉野菜炒め」みたいな料理に「ガパオ風~」などと名付けられたレシピを見かけることも……。

流行り過ぎるとこのようなことが起こります。

そんな謎ガパオの罠に引っかからないようにするため、ガパオについて最低限の知識を持っておきましょう。
また、ガパオライスは実は簡単に作れる、というのはその通りだと思うので、本当に簡単で、しかも本格的なタイ料理の味になるレシピを書いておきます。


素材から作るガパオライス 基本のレシピ

まずは自宅で作れるガパオライスの基本のレシピです。タイ本国の料理サイトなどで公開されている作り方をもとにしています。

鶏肉、唐辛子、にんにく、パプリカ、ホーリーバジルです。

材料(約2人分)

  • 植物油・・・大さじ1杯
  • ニンニク・・・1~2片・みじん切り
  • 赤唐辛子・・・好きなだけ・細かくちぎる
  • 鶏もも肉・・・200g・みじん切り
  • 水・・・1/4カップ
  • オイスターソース・・・大さじ1杯半(好みで調整)
  • ナンプラー・・・小さじ1(好みで調整)
  • 砂糖・・・小さじ1(好みで調整)
  • ホーリーバジルの葉・・・好きなだけ

お好みでパプリカ(ピーマン)、玉ねぎなどを入れてもよし。

  • 米・・・普通に炊いておく(タイ米のジャスミンライスがおすすめ)
  • 卵・・・1個(多めの油で揚げるようにして目玉焼きにする)
ナンプラーとオイスターソースと砂糖
ナンプラーとオイスターソースはタイ料理好きなら常備しておきましょう。

手順

1. フライパンに油(サラダ油でOK。うちではオリーブオイルを使ってます)を入れて、ニンニクと赤唐辛子を炒める。
2. 鶏肉を入れて火が通るまで炒める。野菜を入れる場合もここで。
3. 水、オイスターソース、ナンプラー、砂糖を入れて味を調える。
4. 水気が引いたら火を止めて、バジルの葉を入れて予熱で混ぜてなじませる。
5. 米と一緒に皿に盛って、目玉焼きを上に乗せて出来上がり。

ニンニクと唐辛子を炒める
1:ニンニクと唐辛子を炒めます。

焦がさないように弱火で香りを出しましょう。赤唐辛子はこれでもかというくらい入れると楽しくなれます。

鶏肉を入れて火が通るまで炒める
2:鶏肉を入れて火が通るまで炒めます。
パプリカを入れる
続けてパプリカを入れました。
水、オイスターソース、ナンプラー、砂糖を入れて味を整える
3:水、オイスターソース、ナンプラー、砂糖を入れて味を整えます。
火を止めてバジルを入れて混ぜる
4:とろみが出てきたら火を止めて、バジルを入れて混ぜます。

本気で炒めるとあっという間にバジルが黒くなっていくので必ず火を止めてから入れましょう。

鶏肉のガパオライスの出来上がり
5:ご飯と一緒に皿に持って、目玉焼きをのせて出来上がり。

鶏肉のガパオライスの完成です!

目玉焼きはフライパンで「焼く」というより、多めの油に浮かべて「揚げる」ようにすると、より本場感が出ます。

タイ料理のレストランではピーマンや玉ねぎが入っているのが定番の印象ですが、よりリアルな現地の「屋台料理」っぽさを目指すなら、具材は肉とバジルのみ、赤色は大量の唐辛子! というシンプルなのがそれっぽいです。

バジルの葉っぱを素揚げしたものを上にトッピングするとさらに本格的です。

辛いのが苦手な場合やお子様向けにする場合は、唐辛子を減らすか抜きにして、玉ねぎを柔らかく炒めて入れると良いかと思います。

ガパオの意味を知っておこう

ホーリーバジル ©Amazon.co.jp

ところで「ガパオ」とは一体どういう意味でしょうか?

ガパオ(กะเพรา)というのは「ホーリーバジル」そのものを意味するタイ語です。
バジルといえばイタリア料理などでもおなじみのハーブですが、イタリア料理で使われるのは「スイートバジル」という種類のバジルで、ホーリーバジルはまた別の品種になります。葉っぱの形や食感、香りが微妙に異なります。

ホーリーバジルの日本名はカミメボウキ(神目箒)。インドでは「トゥルシー」と呼ばれハーブティーの材料としても利用されています。

すなわちガパオとは食材の名前。なので、料理名としては正確には「パッ・ガパオ(ผัดกะเพรา)」で「ホーリーバジル炒め」になります。

それに炒める具材を続けて、鶏肉(ไก่/ガイ)の場合は「パッ・ガパオ・ガイ(ผัดกะเพราไก่)」、豚肉(หมู/ムー)だったら「パッ・ガパオ・ムー(ผัดกะเพราหมู)」。

ガパオライスは、最初に米(ข้าว/カオ)をつけて「カオ・パッ・ガパオ(ข้าวผัดกะเพรา)」=「バジル炒めご飯」のようになります。

日本でも定番の、鶏肉のガパオライスに目玉焼き(ไข่ดาว/カイダーオ)が乗っているやつは、「カオ・パッ・ガパオ・ガイ・カイダーオ(ข้าวผัดกะเพราไก่ไข่ดาว)」=「ご飯と鶏のホーリーバジル炒めと目玉焼き」で完璧!

とはいえ単に単語を並べただけの呼び名なので明確に語順や区切りのルールがあるわけではないみたいです。お店やレシピによって様々。

そんなわけで、要はホーリーバジルで炒めていれば、ある意味何でもガパオです。それをご飯にのせたらガパオライスです。

具材は肉でもいいし魚介類でもいいし、野菜もピーマンでも玉ねぎでもタケノコでもキノコでも、入れたいものを入れれば良いのです。きっと。

だから店によって味も見た目も様々なのですね。

自分で作る場合も、細かいことにはこだわらず好きなように作れば良いと思います。辛いのが苦手なら唐辛子を減らせばいいし、ナンプラーが嫌いなら醤油でもいいし、食べやすさ重視なら挽き肉、歯ごたえ重視なら細切れで。

ガパオとは何かを知っていれば、このように自由なアレンジもできるようになりますね。基礎知識は大事です。

ホーリーバジルを入れずにガパオを名乗ったり、せっかくバジルの香りがポイントなのに別の香りが強いパクチーを入れてしまったりすると……ガパオ警察があらわれてツッコミを入れられることになりますので気をつけましょう。

ホーリーバジルはどこで買える?

そんなガパオの主役である「ホーリーバジル」ですが、困ったことに日本の普通のスーパーや八百屋ではまず置いていません。

通販を行っているハーブ農家があるので、そこから買うのがおすすめです。

苗を買って自宅で栽培することも可能ですが、少々ハードルが高い……。

バジルはもともと多年草ですが、寒さに弱いため日本で栽培する場合は季節に注意が必要です。夏~秋が収穫期で冬には枯れてしまうので、今すぐ作って食べたい! というわけにはいかない場合があります。

パクチーがここ数年ですっかりメジャー化したおかげで最近はスーパーでも手に入りやすくなったので、ホーリーバジルにも普及を期待したいところですね。

もっと簡単に本格的なガパオライスを作る方法

ホーリーバジルをわざわざ通販で買うのは面倒だし、ナンプラーを買っても使い切れる自信がない……でもガパオライスを自宅で作りたい! という人には、もっと簡単な方法があります。

カルディなどの輸入食材店に行って「バジル&チリペースト」や「ホーリーバジルチリペースト」、「バジルチリシーズニング」などと書かれた商品を買うのです(通販でも買えます)。

Soot Thaiのバジル&チリペースト
Soot Thaiのバジル&チリペースト(→Amazonで購入
3Chef'sのホーリーバジルチリペースト
3Chef’sのホーリーバジルチリペースト(→Amazonで購入
RoiThaiのバジルチリシーズニングソース
RoiThaiのバジルチリシーズニングソース

「ガパオペースト」「ガパオシーズニング」とは書かれていないので注意が必要です。なぜかと言うと、最近の日本の流行に乗っかって新発売された商品ではないからですね。ほんの数年前まで「ガパオ」なんて言葉はタイ料理好き以外にはほとんど知られていなかったからです。

これだけガパオライスが流行っているので、実はハウスやS&Bからも、手軽に作れるガパオライスの素が発売されているのですが、日本製のものはやはりどうしても気合いに欠けます。唐辛子控えめで、肝心のバジルも粉末になって存在感がありません。本格的なタイ料理っぽさを目指すなら、タイ製の輸入品を使いましょう。

バジルチリペーストを手に入れたら、あとはお好きな肉をみじん切りにして炒めるだけ! 簡単!

RoiThaiのバジルチリシーズニングソースで作ったガパオライス
RoiThaiのバジルチリシーズニングソースで作ったガパオライス

唯一の難点としては、バジルの色。バジルは乾燥したり調理してしばらくすると色が黒っぽくなってしまうのです。なのでペーストに入っているホーリーバジルでは、旅行ガイドの写真に出てくるような色鮮やかな仕上がりにはなりません。

解決策としては、最後に生バジルを入れる! ホーリーバジルがない場合は日本でも手に入りやすいスイートバジルの葉っぱを最後に入れましょう。スイートバジルはホーリーバジルとは匂いも形も微妙に異なりますが、全くの別物というわけではないので、見た目だけスイートバジルに頼る作戦です。

火を止めてスイートバジルを投入
ホーリーバジルチリペーストで肉を炒めてから、最後にスイートバジルで彩りを追加。

こうすることで、ペーストを使ってても見た目までまるで現地なガパオが出来上がります。美味い! めでたしめでたし。

Soot Thaiのバジル&チリペーストにスイートバジルの葉を入れて作ったガパオライス
Soot Thaiの「バジル&チリペースト」を使用し、最後にスイートバジルの葉を入れて作ったガパオライス

(スイートバジルも手に入らないという人は……見た目はあきらめましょう。緑のピーマンを入れてあげると色合いが鮮やかになって良いかもしれません。)

タイ製のペーストは基本的に全力で鬼のように辛いのでお気をつけくださいね。これもまた、異文化体験です。

紹介した3つのタイ製バジルチリペーストを個人的に順位付けすると…

辛さ:RoiThai>SootThai>3chef’s
バジル度:3Chef’s>RoiThai>SootThai
使いやすさ:SootThai>3chef’s>RoiThai

といった感じ。
RoiThaiは乾燥バジルを水で戻して使うタイプで、ソース感強めの濃厚激辛系。
3Chef’sはバジルが大量に入ってますが辛さは他2つに比べると弱め。
SootThaiは一番手軽でコンパクト。辛さもいい感じですが、ナンプラー的なタイっぽさは控えめ。初めての人はこれが良いかと思います。

お好みの方法で、自宅でガパオライス生活をお楽しみくださいませ。

Food料理とレシピ

2018/07/20 (更新:2018/09/17)

書いた人:

旅と音楽。最近の時の流れの速さと記憶力の低下に危機を感じ、いろいろなことを記録しておくために書き始めました。元CD屋。ブラジル他ワールド音楽とジャズとKPOPを中心に何でも聴きます。普段はHTMLやCSSやSEOなどの人。時々ギターと太鼓。寒さに弱すぎるため旅先は基本的に南。釣りたい魚はグルクンです。

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