FOX+CHRIS CHEEK『Pelican Blues』~ルイジアナの郷愁とフレンチ・ジャズ
2018.02.10
フランスのギタリストPierre PerchaudとベーシストNicolas Moreauxを中心としたグループ FOXの10月に出た新作『Pelican Blues』が秋の空気にぴったりで大変に良いです。
ギターがPierre Perchaud(ピエール・ペルショー)、ベースがNicolas Moreaux(ニコラ・モロー)、ドラムはブラッド・メルドー・トリオのメンバーだったことで知られるスペイン人のJorge Rossy(ホルヘ・ロッシ)。
2016年に3人でのファーストアルバム『FOX』をリリースしており、今回はアメリカのテナーサックス奏者Chris Cheek(クリス・チーク)を迎えての4人編成によるアルバムです。
テーマは「ペリカン州」ことルイジアナ
ジャズの故郷であり、またフランス文化の影響が強く残る土地でもある、アメリカ南部の州「ルイジアナ」をモチーフにした作品だそうで、アーシーでどこかノスタルジックな乾いた空気が全体に漂っています。
アコーディオン奏者のVincent Peirani(ヴァンサン・ペラニ)が全11曲中4曲に参加しているのもポイントで、郷愁を誘う音色がもう! 秋深し、で最高なのです。
ルイジアナ州はもともと18世紀までフランス領で、ルイジアナ(Louisiana)という名前もフランス国王のルイ(Louis)14世に由来するのだそう。
また、スペイン領だった時代もあり、黒人や先住民族も含めて多種多様な文化が混合した「クレオール文化」と呼ばれる独自の地域性が育まれ、それがのちにジャズやブルース、R&Bなど、豊かな音楽を生み出す土壌になったとも言われています。
まさに今作のメンバー編成にもぴったりのテーマ。
そのルイジアナの「州の鳥」であり、州の紋章や旗にも描かれているのが「ペリカン」です。
『ペリカン・ブルース』、タイトルだけでも心惹かれるものがあります。
ブルージーなロックンロールのスパイスも溶け込んで良い味出しているので、ジャズファン以外にも広くおすすめできる感じ。
夕食のBGMに流せば多分料理が美味しくなります。
そんな音楽。
ジャケットがまた良いです。マルディグラ(Mardi Gras:カトリックの祭りでルイジアナ州ニューオーリンズで行われているカーニバルが有名)の仮装ですね。
Now playing on @RadioTSFJAZZ #PelicanBlues by FOX + #ChrisCheek pic.twitter.com/Fziuy4fCHD
— jazz&people (@jazzandpeople) October 24, 2017