César Lacerda『Tudo Tudo Tudo Tudo』~ミナスのSSW新作は珠玉の快適アコースティックポップ

2018.02.10

ブラジルのシンガーソングライター César Lacerda(セザール・ラセルダ)の新作『Tudo Tudo Tudo Tudo』がもうたいへんに良いです。

セザール・ラセルダはミナス出身で現在30歳。もともと(cLAP!)というバンドのメンバーとして活動していたようです。
2013年にソロでのファーストアルバム『Porquê da voz』をリリース。
2015年のセカンド『Paralelos & Infinitos』も素晴らしいアルバムで、日本のブラジル音楽好きの間でも話題になりました。
2016年にはサンパウロのアーティスト Romulo Fróesとの共演盤を1枚リリースしており、2017年10月27日にリリースされた今作『Tudo Tudo Tudo Tudo』がソロでは3枚目のアルバムとなります。

基本はアコースティックでフォーキーなMPB、ソフトな歌声で美しいメロディのコンパクトに良い曲を歌う人ですが、アレンジや音響面でもすごく面白く、立体感と広がりのある世界を聴かせてくれます。

すべて、すべて、すべて、すべて

アルバムタイトル『Tudo Tudo Tudo Tudo(全て全て全て全て)』というのは1曲目「isso também vai passar」の歌詞の一節ですが、ここで連想するのがカエターノ・ヴェローゾ。

カエターノには「Tudo Tudo Tudo」という曲があり、また同じ言葉の響きを繰り返すのもカエターノ的。

アコギとヴィオラォン(violão=ナイロン弦のガットギター)、左右2本のギターにグロッケンシュピールとピアノの響きが重なるイントロがただただ心地良い。
2曲目「quando alguém」にはマリア・ガドゥがゲスト参加。
サンバ路線の4曲目「o marrom da sua cor」も最高。
ピアノ入りの5曲目「por quê você mora assim tão longe?」と7曲目「por um segundo」、ラップスティール入りの8曲目「sei Lá, mil coisas」などは、70年代US/UKの良質シンガーソングライターものみたいな味わいがあります。夢見心地過ぎ。

全10曲、33分であっさり終わってしまうところも最高です。

前作ではエレクトロニックな音響処理などを取り入れたサウンドが印象的でしたが、今作はよりシンプルにアコースティックで、よりポップです。

MPBとかブラジル音楽好きだとか関係なく聴ける音だと思いますので、良い感じに爽やかで甘くて軽く渋めな男性ボーカルをお求めの方は是非どうぞ。

逆に今のブラジル新世代の先鋭的な音に興味ある人は前作『Paralelos & Infinitos』のほうが気に入るかも。

彼のYouTubeチャンネルでも全曲聴くことができます。

Musicレビュー

2017/11/29 (更新:2018/02/10)

書いた人:

旅と音楽。最近の時の流れの速さと記憶力の低下に危機を感じ、いろいろなことを記録しておくために書き始めました。元CD屋。ブラジル他ワールド音楽とジャズとKPOPを中心に何でも聴きます。普段はHTMLやCSSやSEOなどの人。時々ギターと太鼓。寒さに弱すぎるため旅先は基本的に南。釣りたい魚はグルクンです。

Twitter | Instagram

最近の投稿

アーカイブ

カテゴリー

このブログについて

Junineblog「未知との遭遇の日々」は、好奇心を忘れず生きていくためにいろいろな場所へ行き、いろいろな音を聴き、いろいろなものを食べよう、というブログです。

もっと詳しく